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コレクション: 春画資料

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (1) - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (1) - ページ 20

ページ: 20

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ものを御殿(ごてん)へあげ。室(むろ)町さまのお寝(ね)間のお伽(とぎ)。有(あり)がたいには違(ちがひ)もないが。花見遊山(はなみゆさん) も好(すき)にはならず。結構(けつかう)なものを給(た)べ美(うつく)しい衣裳(きもの)着(き)て。みかけ斗(ばか)りは羨(うらやま)しくても。 身(み)は侭(まゝ)ならぬ籠(かご)の鳥(とり)。傾城(けいせい)より少(すこ)し倍(ま)す。宮仕(みやづか)えも傍輩(はうはい)の。嫉(ねた)み媢(そね)みで苦労(くらう) も多(おほ)く。夫(それ)より結句(けつく)牛(うし)は牛(うし)。馬(うま)は馬(うま)つれ気(きは)は軽(かる)く。慈母(おふくろ)おいでか能天気(よいてんき)。けふは 初寅(はつとら)鞍馬(くらま)へ往(ゆか)う。支度(したく)しやれと無造作(むざうさ)の。暮(くら)しは実(じつ)の楽(たの)しみと。思(おも)へば いつそ御 断(ことは)りを。立(たて)やうかとは思(おも)ひながら。左様(さう)してみれば。お金(かね)が出来(でき)ず。 二ツよい事サテないものよ。と小唄(こうた)に謡(うた)ふも違(ちが)ひなしまア〳〵お前(まへ)の心(こゝろ)をも聞(きい)たうへでと 相談(さうだん)したら。わたしの安堵(あんど)家(いへ)の為(ため)。何(なん)の少(すこ)しも厭(いと)ひませう。親(おや)の為(ため)なら傾城(けいせい)に。沽(うら)れる 女児(むすめ)も沢山(たんと)ある。夫(それ)からみればお月(つき)さまと。泥亀(すつぽん)ほどな違(ちが)ひやう。人が聞(きい)たら果報(くわはう)や けて。死(し)なねばよいと申ませう。何卒(どうぞ)左様(さう)して祖父(おぢい)さんの。それほど苦労(くらう)になされ た田地(でんぢ)。とり戻(もど)して下(くだ)されば。お前(まへ)も一生(いつしやう)楽(らく)になる。三方(さんばう)四方(しはう)これほどな。冥加(めうが)に余(あま)つた 事(こと)はない。と器用(きよう)に挨拶(あいさつ)した故(ゆゑ)にその通(とほ)りを順庵(じゆんあん)さんへ申た所(ところ)夫(それ)ならば近々(ちか〳〵)のうち