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コレクション: 春画資料

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (1) - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (1) - ページ 30

ページ: 30

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どふいふ物(もの)歟(か)と思(おも)つたに今宵(こよひ)始(はじめ)めて味(あぢ)をしり。なるほど悪(わる)くもないやうだが 何(なん)だかはゞツたくつて。抜(ぬい)た跡(あと)まで例(いつも)とは。どこやら違(ちが)ツた心持(こゝろもち)。それにぬる〳〵 拭(ふい)ても〳〵。跡(あと)から流(なが)れる気味(きみ)わるさ本(ほん)や何(なに)かに書(かい)てある。苦労(くらう)をしたり 気(き)を揉(もん)で。するほどのものでもないと。真(しん)の甘美(うまみ)をまだしらぬ。恍惚子(おぼこ)心(こゝろ)ぞ道理(ことはり)なる     第二 室町(むろまち)のまき 爰(こゝ)に始(はじめ)より記(しる)したる。吉光公(よしみつきみ)と聞(きこ)えしは。日本一(につほんいち)の長者(ちやうじや)にて。国々(くに〴〵)数多(あまた)領(りやう)し たまひ。花洛(みやこ)室町(むろまち)に御所(ごしよ)をかまへ。住(すみ)給ふをもて如此(しか)いへり。この君(きみ)いまだ二十一 歳(さい)。 殊(こと)に容色(やうしよく)双(なら)びなく。女(をんな)にしてみま欲(ほし)き。やさ姿(すがた)にて在(おは)しければ。属々(つき〴〵)の女房(にようぼ)たち。 甲乙(たれかれ)となく慕(した)ひまゐらせ。どうぞ〳〵と居膳(すえぜん)は。七五三(しちごさん)やら五々三(ごゝさん)やら。料理(れうり)に愚(おろか)は なけれとも。人(ひと)の心(こゝろ)は貴賤(きせん)となく。常(つね)に眼(め)なれし物をば嫌(きら)ひ。珍(めづ)らしきを好(す)く ものにて。人品(ひとがら)のよき長髱(ながつと)や。或(ある)ひは地黒(ぢくろ)地白(ぢしろ)の福袿(かいどり)。大振袖(おほふりそで)の高髷(たかわげ)は。平生(つね)の 事(こと)にて面白(おもしろ)からず。紅白粉(べにおしろい)もうつすりと。水髪(みづがみ)嶋田(しまだ)か銀杏(いてう)くづしの。結(むす)び髪(かみ)