翻刻
もがいて抱(だき)きつく。吉光(よしみつ)は左右(さいう)の手(て)。左右(さいう)の足首(あしくび)を働(うご)かせて。上(うへ)を下(した)へと突(つき)
ながら。腰(こし)をくる〳〵幾瀬(いくせ)が望(のぞ)みに。ソレ上(うへ)かそれ奥(おく)かと。頻(しきり)にすか〳〵づぶ
ずぶと。突(つき)立(たて)給(たま)へば男根(なんこん)は。はりさく如(ごと)く気(き)が満(みち)て。はや腎水(じんすゐ)も流(なが)れんとす
るにぞ。われを忘(わす)れて両(りやう)の手(て)で。しつかと幾瀬(いくせ)を抱(いだ)きしめ。足(あし)を縮(ちゞ)めて
ソレおれも。サア〳〵いくヨと口(くち)をすひ。ドツキ〳〵と。精(き)をやること限(かぎ)りなく。陰水(いんすゐ)あ
ふれてだら〳〵〳〵と。蒲団(ふとん)へ流(なが)るゝその気味(きみ)よさ。夫(それ)に引(ひき)かえ四人(よにん)の女(をんな)は。今(いま)モウ
いかうとする処(ところ)に。男質(はりかた)を引(ひき)ぬかれ。鳶(とび)に油揚(あぶらげ)さらはれし。心地(こおゝち)になつて物(もの)
もいはず。幾瀬(いくせ)が頻(しき)りに嬌(よが)るをみて。たゞずる〳〵〳〵と陰門(いんもん)より。精水(きみづ)をながす
斗(ばか)りなり。夫(それ)よりもまた入(いれ)かはり。五筆和尚(ごひつおしやう)に異(こと)ならで。一回(いちど)に五人(ごにん)の女(をんな)を泣(なか)す
この戯(たは)ふれにこの夜(よ)を明(あか)す。何(いづ)れも同(おな)じさまなれば。くた〴〵しくて書洩(かきもら)し
つ。かくて吉光(よしみつ)さま〴〵の楽(たの)しみ。いまだ尽(つき)ざれど。予(かね)て北嵯峨(きたさが)の音勢(おとせ)が事。
お手医師(ていしや)順菴(ぢゆんあん)より聞(きゝ)給ひ。楊貴妃(やうきひ)西施(せいし)はものかはにて。吾(わが)朝(てう)の衣通姫(そとほりひめ)。小町(こまち)と
上ノ八