翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

鬼娘伝 - 翻刻

鬼娘伝 - ページ 12

ページ: 12

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いふ者(もの)あり。近郷(きんごう)名(な)うての性悪(せうわる)にて 誰(たれ)かれと契(ちぎり)し人(ひと)。多(をゝ)き中(なか)に伏谷村(ふしやむら) 総次(そうじ)といふ者(もの)と。中(なか)にも深(ふか)く契(ちぎ)り けるが。此事(このこと)顕(あら)はれて総次(そうじ)は。伏谷村(ふしやむら) を追(を)ひ払(はら)はれけり。此 総次(そうじ)もと日本(につほん) の者(もの)ならず。地獄(ぢごく)極楽(ごくらく)の境(さかい)巾着州(きんちやくしう) 摺切郡(すりきりこほり)。ちくらんだといふ所。しやらの しやんぷくりんといふ者(もの)の子(こ)なりしが すかんぴんの家(いゑ)に生(むま)れ。ばさらの道(みち)を 業(わざ)としければ。商(あきな)ひするに野性(もとで)なく 金(かね)を拾(ひろ)ふたら。湯(ゆ)かたを染(そめ)よとおもへ ども。肩(かた)に鉄(かな)てこ。裾(すそ)には碇(いかり)でも 流(なが)れ渡(わたり)の其日(そのひ)暮(ぐら)し。富士(ふじ)の山ほど 冷飯(ひやめし)なくては。鼻(はな)の下(した)の六万坪(ろくまんつぼ)。埋(うめ)ても