翻刻
親子(をやこ)も胆(きも)を潰(つぶ)し。虎(とら)の尾(を)の上を
踏(ふむ)心地なるべし。出生の子は是に
かたどり。尾上(おのへ)と名付べし。是おのへが
罪(つみ)はお野衛(のゑ)を責(せむ)る。まだいをふなら
おのへ憎(にく)ひ奴(やつ)なり。アレ計(はから)へと宣(のたま)へは
牛頭(ごづ)馬頭(めづ)両方(りやうほう)より立かゝり。持料(もちりやう)の
太鼓(たいこ)の撥(ばち)にて。髻(たぶさ)を突(つゝ)かけて
投 出(いだ)さるゝと見て。久しい物じやが
夢は覚にけり。余(あまり)のことの怖しさに
夢の次第(しだい)を物語する内に。虫気付
安〳〵と。産落せしは。玉の様(よふ)なる
鬼娘。もゝんぐわあ〳〵と。初声(うぶこへ)高く
上にけり。夢(ゆめ)の告(つげ)に違(たが)はず。頭に
痰瘤(たんこぶ)ほどな角(つの)が生。目に光(ひかり)ありて