翻刻
池中を探索るに如来の尊像を得て負ひ奉故郷信濃伊
奈郡ざこうじ村に至り臼の上に安置す然るに霊教によつて水
内郡今の地に移り給ふ御当代ハ三十六代皇極の女帝勅願なり
慶長二年七月十八日太閤秀吉の命に依て如来を京都大
仏殿に移されしに仏意に応さすれハしばしば御崇敬
て還住の御告あるに任せ同年八月信濃国に帰らせ給ふ
是普く人の知る所にて日本三如来の第一也御れハ此度
もかゝる異変の折からも御堂恙なく籠れる衆生の命
全く存在せし事末世の今に於て猶利験いたりて
いよいよ信心偈仰し奉るへきことにこそ
年代記條出シ如左
白鳳十三甲申年十月十四日大地震
天平六甲戌四月 同 十七乙酉年 諸国大地震
天長四丁未年 同 仁寿元辛未八月天鳴地震山崩
齊衡二乙居亥年同大仏首落 元慶二戌戊年関東 地震
仁和元乙己然 同星落如雨 承平四甲午五月 大地震
同 七丁酉四月十七日同
天慶元戌戊年夏大雪地震 治安二壬戌年 同
経日不止
長久二辛己然 大地震 長承二癸丑 同
建保元甲戌年 同京焼 延応元己亥年鎌倉大雷大風
雨大地震
正嘉元丁己然 鎌倉大地震 永仁元癸己年鎌倉大地震
山崩