翻刻
より金(きん)十五両とり出(いだ)し是ハ仲人(なかうど)のしるしなり
扨(さて)また何がどうでも結(むす)ぶの神の貴公(きこう)ゆゑどう
なりと仰(あふせ)のとほり御ゑんりよなくといふに助兵衛(すけべゑ)
金を押(おし)いたヾき是ハ早速(さつそく)ありがたうござりますと
ふところへ入(い)れまづこうでござります先方(さきかた)の親(おや)ごの
いハれますにハその聟(むこ)どのをまァこつちへ連(つれ)て
ござれわしも逢(あひ)たし娘(むすめ)にも見せて氣(き)にさへ入る事(こと)
ならすぐに祝言(しうげん)をさせてもいヽといふことでござります