翻刻
の遺跡とも多しといふ也。東山殿の【*】
頃より。彼国には我国の仮名字
を用ひしと見へ。また其国の人とも。
我国の和歌をよくするもの少(すくな)からす。
《割書:琉球人の。和歌いくらも見へたり。|此らよめるものともあり。》山川等の名
も。人の名にも。みな〳〵我が国の言葉
なるも多し。誠に我国の神々をま
つれるゆへ。故蹟いくらも世に聞へ
たり。されは彼国の始祖は。我国の
人たる事は一定なり。但し為朝の
後と申は。如何あるへき。都(すべ)て彼国
の事とも審りならぬこと多し。
【*「殿の・頃」の下に不可解な修正あり】