翻刻
【右丁】
物(もの)として用(もち)ゆるも法方(しかた)を知(しら)さる者(もの)多(をふ)し故(ゆゑ)
に飲水(のみゝつ)の為(ため)に腹痛(はらいたし)及(をよ)び下利(くだり)を起(をこ)すこと鮮(すく)
なからず斯(か)く病(やま)ひを起(をこす)の原因(もと)を探(さぐ)るとき
は他ね
種々(さま〳〵)あれども多分(たふん)は飲(の)み水(みづ)の不浄(ふじよふ)なる
に由(よ)る万一(まんいち)之(これ)に虎列刺毒(これらどく)の混(まじ)ることある
ときは忽(たちま)ち恐(をそ)るべき虎列刺病(これらびよふ)に罹(かゝ)るもの
とす又(また)縦令(たと)ひ虎列刺毒(これらとく)の混(まじ)ることなきに
もせよ以上(うえ)に申(まふ)す如(ごと)く腹痛(はらいたし)及(をよ)ひ下利(くだし)など
【左丁】
を起(をこ)すときは自然(しねん)虎列刺病(これらひよふ)の誘因(みちび)きとな
ることあり故(ゆゑ)に飲水(のみゝす)は可及(なるたけ)的清潔(きよら)かなる
ものを用(もち)ゆべし而(そ)して清潔(きよら)かなる飲水(のみゝず)を
用(もち)ゆるには先つ井戸(いと)を清潔(きよら)かにすべしと
の目的(みこし)を達(たつ)するには排水溝(げすい)を能(よ)く通(つゆふ)ぜし
め少(すこ)しも其内(そのうち)に悪水(あくすい)の潴(たま)らさる様(よふ)にする
を簡要(かんよふ)とす又(また)井戸(いど)の周囲(まわり)も石灰(いしばい)土にし堅(かし)
く地面(じめん)を塗(ぬ)りて不浄(ふじよふ)なる水(みず)の流(なが)れ入(いる)こと