翻刻
【右丁】
のたいにてひやうふきやうのみやよりと
申けれは女はうたち出てこれはい
かにをもひよらす人たかへにて候や
とく〳〵かへり給へと御ふみを取
いれすときわむなしくかへりぬ宮
又をし返しかくなん
くれなゐのすゑつむ花や我ならん
ふみかへさるゝ身ともなりけり
とあそはしたるをとりてゆき
やう〳〵に申せとも人も出す返事
【左丁】
もなしときわをさなき心にねたうくや
しくおもひて申やうこのらくちうに
すまん人のわかきみの御みいかはかり
めさましもてなしたまはぬひんなさ
よとりたにいれさせたまはぬそとて
みすの内へなけいれけりされとも御
返事もなし宮はいろ〳〵御心をつ
くしはみひまなし日ゝにつかわ
されけれともゆく水にかすかく心
ちして返事もなしみやはねた