翻刻
【右丁】
めくまきれにみなみのつま戸よりい
りたまひてかの御かたおもは給はし
とて御心にもあわせ候つゝまきれて
ゐらせ給へと申けれはみやはよろこひ
給ひて御めのとさぬきのせうかくるま
をめしててんしやう人のまねをして
みやす所を出させ給ふときわ御とも
申す時しもかみな月一日の事なれは
うちしくれかせはけしく身にしみ
てものあかれ【物別れ】成に
【左丁】
おほつかなたそかれ時の夕くれに
うわの空にもいてにけるかな
扨三条へいらせ給ひておゝく出入くるま
にまきれてちうもんよりいらせ給ひぬ
みすかうしをろし御とのいあふしなん
とひそめきあゑるまきれにつま戸
より入せ給ひてかうしにしのひたゝ
せ給へは御うちにはゆめにもしらす
してひをとほしかきたてゝそ有
け御覧すれはまことにきよけに