翻刻
【右丁】
ひやうふきちやうたてならへ御まへには
にようはうたち二三人こそ見えけれ
一人はくちは【朽葉色】のひとへにくれなひのは
かまにてこれは姫君のためのとこんの
せうしやうなり又ひとりは二たつあひ
のひつかさね【引重ね】にしろきはかまにて
候をさへもんのつほねと申けり壱人は
みやけと申すはしたなりさては人も
見えす又おくを御覧つれはきちやうさし
よせちやうたいのひき物あけてとしの
【左丁】
ほと十六七とおほしくて菊のにほひ
いつれももみちかさねのこうちき【小袿】くれ
なひのはかまふみなかしひきものに
よりかゝりておはしけるかたちあり
さまかみのかゝり【髪のかかり=髪の垂れ下がっている様子】よりはしめてうつ
くしとも中〳〵心もをよはす宮おほし
めしけるはおゝくの人を見しかとも
かゝる人をはいまたみす此ころはいか成
にようはうも心にいらすおもひつるに
かゝる人にあはんとてのことにやとわか