翻刻
【右丁】
発熱(ほつねつ)の時に其きさしを早くさとれは重き
を転して軽きにす多く出るをすくなく
する術(てたて)あるへし
是まては日数六日の吉凶もやうを述(のべ)たり常(つね)に
熟覧(じゆくらん)して俗人も弁(へん)しおく事也 偖(さて)出斉(でそろひ)は
見点(ほみせ)より三日めをいふ足心(あしのうら)まてに出るをいふなり
軽(かろ)きは足のうらになくても三日になれは出そろひとすべし
痘に二度の関あり出うきそろふを上(かみ)の関とす膿(うみ)を
もちてかせかけるを後(のち)の関(せき)と云出うきかぬるは五日六日
【左丁】
の上の関を超えかたし後の関は十日十一日めにあり
しかし嬰児(あかご)の一歳にみてぬは十五日の日期(ひかず)をまたす
して二三日はやくかせるゆへその痘の重きものは
八日九日を三四歳の十日十一日にあてゝ見るへし
世俗(よのひと)始終(ししう)を十二日と心得 神送(かみおく)りなとするは右の
大小の違(ちか)ひあるを知らぬゆへなり出斉(てそろひ)して痘の
よしあしを定むへし吉痘(よきほうそう)は是より薬(くすり)を用ゆ
へからす又 軽(かろ)しといへとも余症(よせう)をはさむものは
その儘(まゝ)になしおくへからす出そろふて痘の色