翻刻
【右丁】
いきほひうすし熱(ねつ)は出そろひてよりはさつはり
八 とさめ又水もりにねつ出るもの也吉痘は
表(おもて)熱(ねつ)ありても裏(うち)すゝしく食事(しよくじ)すゝむなり
日 此時 血熱(けつねつ)つよく痘の色血ばしりてうるほはぬもの
は急に毒(どく)を解(げ)すべし気虚(ききよ)して血疱(けつほう)となり
血のまゝにてつふるゝもの重(おも)き痘に所々に出来
るものなり又出かけよりやけどの水ふくれのやう
になりてうみもたぬを水疱(すいほう)といふ又 蚕(かいこ)の種(たね)の
ことくのものは此時 頭(かしら)面(おもて)大にはれて目をとちて
【左丁】
それよりはやくまとをあけて変(へん)をあらはすの
類あり是等皆五日六日の頃の手当による
事もあり預(まへかたより)医家(いしや)と談(たん)ずへし須臾(しはらく)も油断(ゆだん)
九 すへからす或は唇(くちひる)ふとくはれてやぶれ血いで
食事(しよくじ)すゝみかたくのんど痰(たん)つよくよだれおの
日 づからなかれ出なんぎなり又吉痘にても此時は
すこしかゆみあり或はいらつきてさはりたきもの
なり其ために袖長(そでなが)のじゆ半を用意(ようい)するなり
又 介抱(かいほう)の人々七八夜もつゝきてくたびれあるゆへ