翻刻
【右丁】
動し上 ̄ミ肺(はい)の表にあらはれ脾胃(ひゐ)の力をかりて
膿(うみ)をなし後 愈(いゆ)れは尋常の疾にひとしからす
扨此病三日つゝ五段にわかれて三五十五日の日数を
経て全快(せんくわい)するゆへ軽(かろ)き重(おも)きにかゝはらす十五日の
日 期(かす)を定て其時々に随ひて遅速(おそきはやき)を考(かんか)へ順逆(じゆんぎやく)【濁点の付間違い】の
吉凶を知る事 肝要(かんよう)とするなり
○疱瘡(ほうそう)を痘と名付る事かたち豆(まめ)に似(に)たるゆへなり
古語 ̄ニ天行発瘡形如_レ豆亦名 ̄ク_二豌豆瘡_一とあり頭の
字義ありて頭面(づめん)を大 切(せつ)にするなり水痘はうけいもと
【左丁】
いふ痘に似(に)て出やすくかせもはやしはしめていつる
先 ̄キ うるほひ水を持ているきみゆへ水痘といふ出るに
次第不同にして段々おい出のするもの也去によりて
日数も少く又 定(さたま)らす痘は一斉(いちとき)に出て一斉におさまる
日数も正(たゝ)し痲疹(はしか)は六 腑(ふ)に出て陽に属(そく)し気を主(つかさと)る
ゆへにかたちありて漿(みつうみ)なしはしめてねつある時 咳(せき)有て
咽(のんと)はしかきゆへにはしかといふ熱(ねつ)はげしく出かぬる時は
甚なやむものなり能く発(はつ)し出れは害(かい)なし出るもの
皮(かは)より外にあらはれて根あさし痘は皮の内に