翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

亜墨利加漂流記聞 - 翻刻

亜墨利加漂流記聞 - ページ 31

ページ: 31

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 なれば益なしと思ひて金銭は不残彼国に  遊ふ内遣ひ捨候由  或日ハ夕涼ミに橋の上にて酒宴を設けて漂人等  盃を彼方此方え取かわす側らへ冨家の小女乳  母らと夕涼ミに来りて見しがおかしがり我国  とハ■上なりと申候よし  唐土にて貰ひし衣服竹籠り其外数々持  帰り其内/乍浦(テンミン)にて日本服に仕立呉れたると  いふ衣服は地カネキンにて鳶色の綿入なり背中  の方え綿を沢山入て袂の方にハ綿無之ふきを  内えまわして不細工の仕立風也  煙管は大きなる物にてラヲは木を操りぬきたる  物なり長サ壱尺四五寸あり是ハ座敷持のよし  唐人他行の節持煙管ハ長サ壱尺位にて鳫頸  びの先に釼有之土突にしてラヲのなか程え煙  艸入れを括り付杖にして歩行致候由其外  略す  永々異国を歴廻したる故意味有珍説奇話も  可有なれとも漂泊の身の上にて只無事に帰  朝の念願而已なれハ異国の珍事も見も不留様  子香港/上海(シヤンハイ)等ニ而も万国の人物に出会容貌  言語の異なるを見聞し来りし由なれとも  其中珍敷思ひしハ天竺人等我日本薗浦に  用ゆる奴コ踊りの長頭巾の如きのもを被き  有しが目に留りたるのミにて外の事は見聞せる  も耳目の心なけれは其事を覚えすといふ遺恨  といふべし 此/乍浦(テンミン)郡官ゟ漂客都合十壱人え詩画一幅ツヽ贐け