翻刻
なされ候て悪性(あくせう)に御なりなされたるはすくなきもの
にて候 行儀(ぎやうき)はとかく幼少(ようせう)の時(とき)より習(なら)ひが大事(だいし)
《割書:ちいさき|》
にて候 男女(なんによ)のあやまりは人間(にんげん)の大罪(だいざい)にて一命(いちめい)にかゝり候
《割書:おとこをんな| 》 《割書:おほいなるつみ| 》
災難(さいなん)も起(をこ)り申 根本(ねもと)にて候まゝ聖人(せいじん)仏(ほとけ)もこれを
かなしみ強(つよ)く行義(ぎやうぎ)を御立置(をんたてをき)なされ候 事(こと)に候これ
にて大慈大悲(だいじだいひ)の思召(おほしめし)ありかたきいはれをよく〳〵
御聞(をんきゝ)わけなさるべく候
右(みき)之 通(とをり)能々(よく〳〵)御熟読(ごじゆくとく)なされ御のみ込(こみ)御おぼへ
《割書:とつくりとよみ| 》
御勉(をんつとめ)なさるべく候
施 印
口教(くきやう)三 《割書:これよりはじめ一より七までは先日あげをき候|そのつぎへ御とぢたし可被成候》
一 惣体(そうたい)悪(あし)き所(ところ)へ立(たち)よらず。悪(あし)き人(ひと)に御交(をんまじ)はりなされまじく候
人(ひと)は善悪(ぜんあく)の友(とも)によると申 古人(こじん)の御をしへ。少(すこ)しもちがひ
なき事に候。忽(たちまち)火(ひ)の傍(はた)へよれはあたゝまり。水(みつ)のはたへ
よれはしめるなり。泥(どろ)の池(いけ)へはまれは身(み)よごれ。風爐(ふろ)
へいれは垢(あか)をちて奇麗(きれい)になるがごとし。然(しか)れは善(ぜん)に
交(まじ)り。善(ぜん)に立(たち)よれは力(ちから)を入(いれ)ずして善人(ぜんにん)となるにう
たがひなしと。御 弁(わきまへ)なさるべく候
一 人のかたわなるを見て笑(わら)はぬものにて候 并(ならび)に外(ほか)より人(ひと)の来(きた)り
たる時(とき)又帰(またかゑ)る時(とき)など。かたかげにて笑(わら)はぬものにて候。