東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

前訓 - 翻刻

前訓 - ページ 15

ページ: 15

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ゝ なさるべく候。又人(またひと)に何(なに)にても。物(もの)をかすにも。かるにも。遣(や)るも。  もらふも。皆其(みなその)度々(たび〳〵)に御両親様(ごりやうしんさま)へ。御たづねなされ。御ゆるし  をうけて取遣(とりやり)なさるべく候    これ聖人(せいじん)の御教(をんをしへ)に。孝行(こう〳〵)なる子(こ)は。私(わたくし)の財宝(ざいほう)といふ    ものはなし。皆々(みな〳〵)御両親(ごりやうしん)のものなりと知(し)れよと仰(をゝせ)    られて候。其訳(そのわけ)を御合点(ごがつてん)なさるべく候。元来(もとより)人々(にん〳〵)子(こ)    たるものは。我(わ)が身(み)とても御両親(ごりやうしん)のものにて。我身(わがみ)にてはなし。    されは。財宝(ざいほう)はいふに及(をよ)ばずと申 事(こと)を。御弁(をんわきまへ)へなさるべく候 右之通(みきのとふり)。能々(よく〳〵)御熟読(をんじゆくとく)なされ。御のみ込(こみ)。御おぼへ。御 勤(つとめ)。可被成(なさるべく)候                                施印     口教(くきやう)四  《割書:これよりはじめ一より十までは先日あげをき候|そのつぎへ御とぢたし可被成候》 一 毎月一度(まいつきいちど)灸(やいと)をすゆる事(こと)これ御(こ)孝行(かう〳〵)のためと  御心(をんこゝろ)得なさるべく候    是(これ)は何故(なにゆへ)なれば毎月(まいつき)灸(やいと)を御(をん)すゑなされ候得ば    父様(とゝさま)母様(かゝさま)ともに此方(こち)の子(こ)は灸(やいと)をよくすゆる    ゆへ疫病(はやりやまひ)もうつるまじ食(しよく)あたりもあるまじと    安堵(あんど)なさるゝなり畢竟(ひつきやう)あつさはしばしの間(あいだ)にて    御両親(をんふたをや)の御心(をんこゝろ)の痛(いたみ)を易(やす)くし大(おほ)きに御孝行(ごかう〳〵)になり    申候 其上(そのうえ)孝行(かう〳〵)するかせぬかは此(この)灸(やいと)がよきためし    にて候も若(もし)灸(やいと)が御すゑなされともなく成(なり)候はゝ早(はや)