翻刻
すこしはかり和解術(やはらげときのぶ)る所(ところ)なりくはしくは小学(せうかく)を始(はしめ)とし
て和漢(わかん)の書物(しよもつ)に出(いで)たれば漸々(ぜん〳〵)と御(をん)見きゝなされ御孝行(ごかう〳〵)
の道(みち)に御すゝみなされ候 様(やう)にと偏(ひとへ)にこひねがひ申候 一孝(いつかう)
たちて万善(ばんせん)なると申 事(こと)の候へば世(よ)に父母(ちゝはゝ)へ孝行(かう〳〵)にて
外事(ほかのこと)あしき人(ひと)は終(つゐ)になき事(こと)にて候 此所(このところ)をよく〳〵
御(をん)のみこみ御(をん)おぼへなされ随分(ずいぶん)〳〵御正精(こせい)を入(いれ)られ御両(をんふた)
親様(をやさま)へ御孝行(ごかう〳〵)に御(をん)つかへなさるべく候 近頃(ちかころ)或人(あるひと)の
狂歌(きやうか)に
無二孝(むにかう)や万能膏(まんのうかう)の奇特(きとく)より親孝行(おやかう〳〵)は何(なに)につけても
施印
女子口教(によしくきやう)
一 惣(そう)じて是(これ)まで四冊(しさつ)の口教改(くきやうあらた)めて女子(をなこ)の事(こと)とは申(もう)さねども
女中(ぢよちう)は皆女子(みなをなご)の事なりと御聞(をんきゝ)なさるへく候。凡(をよそ)つね〴〵の
教論(をしへ)男女(なんによ)ともかねたること事 多(おほ)きもなり必(かならず)男子(をとこ)のこと
ばかりと御聞(をんきゝ)なされ候へば大(おほ)きに御心得違(をんこゝろゑちがひ)になり申候。則(すなはち)
今日(こんにち)の口教(くきやう)は専(もつは)ら女(をんな)のこたちのために御はなし申候へども。
是(これ)とても男の子達(こたち)は女中(ちよちう)ばかりの事と御聞(をんきゝ)なされず
身(み)に御引(をんひき)うけなされ候て御聞(をんきゝ)なさるゝがよろしく候
一 第一女(だいいちをんな)は別(べつ)といふ事をよく御弁(をんわきま)へなさるべく候
《割書:わけり| 》