東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

前訓 - 翻刻

前訓 - ページ 21

ページ: 21

翻刻

一女は順(じゆん)にして父母(ちゝはゝ)舅姑夫(しうとしうとめをつと)などにしたがひて何(なに)事も  われときまゝに取(とり)はからひせぬものにて候。この事  屹(きつ)と御つゝしみなさるべく候   されば女は三従(さんしやう)の道(みち)と申事の候。幼稚(ようち)の時(とき)は父母(ちゝはゝ)に随(したが)ひ。   嫁(か)しては舅姑夫(しうとしうとめをつと)にしたがひ。老(をひ)て夫(をつと)なくなりて後(のち)は   《割書:よめいり| 》   我子(わがこ)に従(したが)ふものなりと。小学(せうがく)にも教(をし)へ給へり。又(また)女は   外(そと)をいはずとて殊(こと)に表(おもて)むきの事は夫(をつと)の任(やく)なれば   女は少(すこ)しもいふまじくさしでまじき事なり。しかれば   幼稚(ようち)の時(とき)より少(すこ)しも気随(きずい)きまゝの挙(ふるま)ひはかたくせぬ   ものなり。凡(をよそ)気随(きずい)の品事(しなこと)多(おほ)かればさしあたりつゝしまで   かなはぬ品(しな)の大(おほ)やうをいはゞ。先(まづ)〇 父母(ちゝはゝ)の仰(をゝせ)を能(よく)きゝて   背(そむ)かず〇女は十歳(とを)ばかりにもなりては中戸(なかど)より外(そと)へ   むさと出(いで)ぬものなり○身(み)の行佐(ぎやうさ)はいふに及(をよ)ばず言葉(ことば)   づかひ尋常(じんじやう)にしても物やはらかなるべく〇 子細(しさい)らしきは   男めきてあしゝ〇 品過(しなすぎ)たるはいやらしく聞(きゝ)にくし   〇 流行(はやり)言葉(ことば)無用たるべし○容貌(なりふり)はでならずいやし   からず娘(むすめ)らしくをとなしきがよし〇 頭(かしら)のかざりも   目立(めだゝ)ぬやうがをとなしく見ゆ〇 被(かふり)ものなきはいやし   〇なにごとも当世風(たうせいふう)はよからぬ人(ひと)のする事なり目立(めだち)てあしゝ   〇女の業(わざ)は手習(てならひ)うみつむぎ糸(いと)くり綿(わた)つみたちもの