翻刻
男女(なんによ)の童子(どうじ)口教(くきやう)の趣(をもむき)は先幼稚(まづようち)の時(とき)より常理(つねのり)を
《割書:いはれ| 》 《割書:ひとのみち| 》
心(こゝろ)に納得(なつとく)し末(すへ)々(ゝ)成人(せいじん)の後(のち)たよりとも成(なる)べき品(しな)乃
《割書:をとな| 》
急務(きうむ)ををしゆ嬰児(ゑいし)の身(み)なれば事多(ことおほ)くては覚(おぼ)へ
《割書:いそぎすべきことばかり| 》《割書:おなごのこおとこのこ| 》
がたく勉(つとめ)がたかるべし故(ゆへ)に甚切近(なはなだせつきん)なる節用(せつよう)を少(すこ)しく
《割書:きつうてちか| 》
述(のべ)て小学(せうがく)に入(いる)の階梯(かいてい)ともなれかしと思(おも)ふのみ
《割書:はしご| 》
施印
付録(ふろく) 司馬温公家範(しばをんこうかはん)
婦人六徳和解(ふじんりくとくわげ)
柔順(じうしゆん) 柔順(じうじゆん)とは物(もの)やはらかにして慈悲(じひ)ふかく父母(ふも)に順(したが)ひ
《割書:やはらかにしたがふ| 》つかふまつりて能其(よくその)ちからを尽(つく)すをいふなり
然(しか)るに女子(によし)は夫(をつと)の家(いへ)に嫁(か)すれば父母(ちゝはゝ)につかゆる事(こと)かなはずされば
《割書:よめいり| 》
親(をや)の家(いへ)にあるうちは殊(こと)に父母(ちゝはゝ)に孝行(かう〳〵)をつくすべし夫(をつと)の家(いへ)に嫁(か)
《割書:よめいり| 》
しては舅姑(しうとしうとめ)につかふまつりて苦労(くらう)をかへりみず夫(をつと)に順(したか)ひて志(こゝろざし)を
尽(つく)し老(をひ)ては子(こ)にしたがふべしこれ父母(ふも)に育(そだて)られしその厚恩(こうをん)を
報(むく)ゆるのいはれなり勿論親類縁者(もちろんしんるひへんじや)ともむつまじく下部(しもべ)を憐(あはれ)み
幼者(いとけなきもの)は他人(たにん)の子(こ)といへども我子(わがこ)のごとく愛(あい)し人にさからはずせは〳〵し