東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

前訓 - 翻刻

前訓 - ページ 8

ページ: 8

翻刻

【右項】   やうにてらへゆけよみものせよと仰(をゝ)せられ候はゝ早速(さつそく)   御 出(いで)なされけふは又(また)用事(ようじ)があるやすめと仰(をゝ)せられ   候はゝ御やすみなされとにもかくにも一言(ひとこと)もそむかず   とゝ様(さま)かゝさまの仰(をゝ)せのとふりになされ候が此上(このうへ)   もなき御 孝行(かうこう)にて候さて又おぢい様(さま)おばゝさまは   とゝ様(さま)の又とゝ様かゝさまなればなをもつてだいじに   なされねばならぬことにて御座候   右(みぎ)の事(こと)どもよく〳〵御覚(をほ)へなさるへく候                           施印 【左項】       口教(くきやう)二 《割書:これよりはしめ一二三までは先日上けおき|申候其つぎへ御とぢさして取成候》 一何(なに)にかぎらず偽(うそ)をいふたり為(し)たりはなされぬもの  にて候   是(これ)人間第一(にんけんだいいち)のたしなみなり人(ひと)の本心(ほんしん)は正直(しやうぢき)なるが   生(うま)れつきにて候それゆへひ人々(ひと〳〵)すこしにても偽(うそ)を   つくかうい為(する)がいなや忽(あちまち)我(われ)が腹(はら)の中(うち)に急度(きつと)気味(きみ)   わるく覚(おぼ)へがあるなかはづかしくおそろしき事(こと)   なり盗賊(ぬすびと)或(あるひ)は人殺(ひところし)も幼少(ようせう)の時(とき)は同(をな)じ人(ひと)にて   外(ほか)にたねのかわりたるにてはなく皆(みな)此(この)うそをつき   ならひ段々(だん〳〵)上手(じやうづ)になり偽(うそ)のあがりたる者(もの)が一切(いつさい)の悪(あく)