東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

前訓 - 翻刻

前訓 - ページ 9

ページ: 9

翻刻

   性事(しやうこと)をしたり或(あるひ)は盗賊(ぬすひと)をし人(ひと)をも殺(ころ)すやうになり    申候わるき事(こと)をかくして人(ひと)はしらぬとおもふとも我(われ)が    腹(はら)の中(うち)に我(われ)がよく知(し)るなり此(この)しる心(こゝろ)が直(ぢき)に神様(かみさま)や    仏様(ほとけさま)と一躰(いつたい)なり然(しか)れはいはぬはづせぬはづの事(こと)を       《割書:ひとつからだ| 》    云(いふ)たり為(し)たりするは神仏(かみほとけ)の御(お)きらひなるゆへ    心にうけぬなりされは此本心(このほんしん)の気味(きみ)わるくおもひ    てうけぬ事(こと)はかまへてかりにもいふたりしたせぬもの    なりと御こゝろへなさるべく候    古歌(こか)に      いつわりも人(ひと)にはいひてやみなましこゝろのとはゞいかゞ                             こたへん 一 惣体遊(そうたいあそ)び事(こと)にもあしき事(こと)はなされぬものにて候  そのあしき遊(あそ)びごとのあらかた其品(そのしな)をいはゞ   一あないち其外(そのほか) 諸勝負事(しよしやうぶこと)銭(ぜに)あつかひかたくなされまじく候    第一博奕(だいいちばくち)の兆(きざし)にもなり候てこゝろもちさもしくなり    其上(そのうへ) 友達争(ともだちあらそ)ひ起(をこ)り互(たがひ)に気(き)をもみ剰恨疾(あまつさへうらみにくみ)もみな    此勝負(このしやうぶ)より初(はじま)り甚(はなはだ)あしきものにて候   一 何事(なにごと)にても人(ひと)にかくしてする遊(あそ)び事(こと)はかたくなさるまじく候    これは前(まえ)に申候 偽(うそ)と同(をな)じ事(こと)になり申候    右(みぎ)の外(ほか)も此二色(このふたいろ)にて御推量(ごすいりやう)なされとかくわるき事(こと)と    御気(をき)の付(つき)たる事(こと)はなされぬがよく候 一 殺生(せつしやう)をする事(こと)は甚(はなはだ)あしき事(こと)にて候