翻刻
【右丁】
越(ごし)。腰(こし)がたゝずはいかゞはせん。みゝづ
くもその如(ごと)く。目玉(めだま)ばかりは
大(おほ)きくても。昼間(ひるま)みえぬは明盲(あきしい)
同前(どうぜん)。子(こ)ゆゑの闇(やみ)の親心(おやごゝろ)。此度(こんど)の
疫瘡(ゑきさう)をまぬがして。恙(つゝが)なくあら
しめ給(たま)へと。産土神(うぶすな)にねぎことし。
百(ひやく)どりの机代(つくへしろ)に。神酒(みき)洗米(せんまい)を
【左丁】
捧(さゝげ)るを。疱瘡神(はうさうがみ)へ御機嫌取(ごきげんどり)に
御馳走(こちさう)申事(まうすこと)とこゝろえ馬鹿(ばか)を
尽(つく)せば虚(きよ)に乗(じよう)じ。何(なん)のかのとの
ねだり喰(ぐ)ひ。 皇国(みくに)の神(かみ)は
神(かみ)がらよくはるかに見(み)そなはし
給ふのみにて。煮染(にしめ)強飯(こわめし)のつ
まみ喰(ぐひ)は遊(あそ)ばされず。恥(はづ)かしながら