翻刻
【右丁】
我(わが)類(たぐ)ひの蕃神(えびすがみ)は。万国(ばんこく)にすぐれ
たる日本(につぽん)の米(こめ)の飯(めし)。池田(いけだ)伊丹(いたみ)の
御神酒(おみき)には。咽(のど)を鳴(な)らして飲(のみ)
喰(く)ふ事(こと)。譬(たとは)ば正客(しやうきやく)の大臣(だいじん)は。吸物(すひもの)も
上汁(うはしる)をけしきばかり吸(す)ふて御坐(ござ)
れど。かの末社(まつしや)のわる神(かみ)どもが。坪(つぼ)
平(ひら)まで代(かへ)てしてやり。焼(やき)ものを
【左丁】
引(ひき)かへしてむしる格(かく)にて。興(けう)さめて
覚(おぼ)ゆる也。かくいへば仲間(なかま)の
あらをいふやうなれど。毎年(まいねん)はやる
疱瘡(はうさう)と違(ちが)ひ。おらが仲間(なかま)は二
三十年ぶりに。適々(たま〳〵)に来(く)る客心(きやくしん)
ゆゑか。それ程(ほど)の不行儀(ふぎやうぎ)なる事は
せず。それを却(かへつ)て痘瘡(もがさ)より見(み)