翻刻
【右丁下部欠落】
哥には何れおも三那(みな)はらひ草と詠(ヨメ)りと□
世に用侍る源氏物語にも天児は三歳まて□
大内御川水に祓する草木の作り人 形(カタ)哥の
かはな草と詠(ヨミ)し言葉もはらひ草の
一天児は頭のうちへはらひの法を入れ□
其上に練衣(ネリキヌ)を着(キ)せ㒵(カ ヲ)なりなとに□
形ちをあらはし目口を付髪を□
のゑやうを書へし耳の□
付練りにて包み其端しを赤
あし物を払ふと申伝ふなり
一かにとり小袖【注①】又は初着(ウブキ)其外新しき 御衣(オンゾ)を五歳七歳まで
先つ天児にきせ其の後嬰児めし給ふもの也古も錦(ニシキ)□
いわゐ子といへり
一みはし揃え色直しには天児の色直し同前也髪置の
次第【注②】口伝祝言の時は白衣にて輿の先乗りする也三つ目のいわゐも
縁女同前に色直し有へし
一男子の天児は元服の時 常日(ソノヒ)膳を据(スエ)る也扨吉日を控え祝
儀を添へ祈祷所へ遣す也是は久々守り給ひ目 出度といふ心ざし
【注① 貴人の小児に用いた産衣(うぶぎ)。生絹(すずし)の練り絹を薄縹(うすはなだ)に染め、蟹、鶴、宝尽くしなど、縁起のよい模様をつけてもの。】
【注② 小児が初めて髪をのばす儀式。多くは三歳に行い、近世、元禄以降、十一月十五日に定まった。】