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コレクション: 養蚕の書

養蠶實驗録 - 翻刻

養蠶實驗録 - ページ 22

ページ: 22

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【右丁】   能(よく)く#1〳〵紙(かみ)にて張(はる)べし透間(すきま)の風(かぜ)は陰(いん)にして甚(はなは)だ寒(さむ)きものなり窓(まど)の   開閉(あけたて)にてかげんすべし又 今夜(こんや)は後(のち)ほど寒(さむ)くなると見たれば戸締(としま)り   よくして家内(かない)の者(もの)蚕棚(こだな)の下(した)に多(おゝ)く寝(ね)ること宜(よろ)し蚕(かいこ)出(いで)て七八日より   十五六日 迄(まで)蚕母(さんぼ)は《割書:蚕母(さんぼ)とは生(うま)れ出(いで)しより桑(くわ)つみにも出(いで)ず|蚕(かいこ)のそば別(はな)れず居(い)る者(もの)をいふ》蚕(かいこ)の傍(そば)を   去(さら)ず手入(ていれ)の手段(しゆだん)その家(いゑ)の向(む)き万事(ばんじ)気(き)を付(つく)べきこと専要(せんよう)なり   又 気(き)の籠(こも)らぬようにすべきこと至(いたつ)て大切(たいせつ)なりまた予(よ)が家(いゑ)にて   年来(ねんらい)網(あみ)を自由(じゆう)に遣馴(つかいなれ)獅子(しし)の居尻取替(いしりとりかへ)の時(とき)より麻(あさ)の網(あみ)を用(もち)   い四度(よたび)の居起(いおき)その外《振り仮名:何ヶ度|なんがど》も居尻替(いじりがへ)に始終(しじう)網(あみ)にて替(か)へ蚕(かいこ)に   手(て)をふれずして飼(か)うこと居尻替(いしりがへ)に蚕(かいこ)は少(すこ)しも知(しら)ず半(なか)ば起上(おきあが)りの   蚕(かいこ)も網(あみ)にて半取(はんどり)にして外(ほか)え移(うつ)し桑付(くわづけ)するによつて蚕(かいこ)能(よく)揃(そろ)ひ 【左丁】   上りも早(はや)く成(な)り此網(このあみ)の徳(とく)は第一 蚕(かいこ)の為(ため)によし二人(ふたり)にて十人 前(まへ)の働(はたらき)を   為(な)し人 手間(てま)に徳(とく)あり桑(くわ)に徳(とく)あり但(たゞ)し網(あみ)の目(め)五寸の間(あいだ)に二十 廻(まは)り   すき下げの目(め)獅子(しし)の居起前後(いをきぜんご)に遣(つかひ)同(おなじく)十五 廻(まわ)りすきの目(め)鷹(たか)の   居起前後(いをきぜんご)に遣(つかい)同(おなじく)十廻(とまは)り八廻(やまわ)りの目(め)は舩庭(ふなにわ)の頃(ころ)網数(あみかづ)多(おゝ)く用意(ようい)し   て平日(へいじつ)敷(しき)ごろしに遣(つかう)なり     蚕(かいこ)に大小 出来(でき)ざる心得(こゝろゑ)の事 蚕(かいこ)幼(おさな)き黒子(くろこ)の時(とき)掃落(はきおと)し種(たね)壱 枚分(まいぶん)三尺 四方(よほう)の積(つもり)にせず鍋(なべ)の尻(しり)を 見るごとく真黒(まつくろ)に見ゆる程(ほど)厚(あつ)くすること性(せう)悪(あし)くなる根元(こんげん)なり譬(たと)へば 一切(いつさい)の作物(さくもつ)にても厚(あつ)く植(うゆ)れば肥(ふと)らず実入(みいり)も悪(わる)きがごとし愚(おろか)なる人は蚕(かいこ)に 捨扶持(すてぶち)を与(や)るごとく一日に一 度(ど)漸(やう〳〵)二 度(ど)ほど桑(くわ)を与(や)る故(ゆゑ)大 方(かた)の手入(ていれ) 【右丁上段】 内外振替て置 なり此網を用る時 は日蚕尻(ひごしり)を取替 るとも少も苦(く)に ならづぬかの遣方 等は本文のごとし 此布の制(せい)し方は 後編(こうへん)にくわしく 記(しる)し置(を)く