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コレクション: 養蚕の書

養蠶實驗録 - 翻刻

養蠶實驗録 - ページ 33

ページ: 33

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【右丁】 喰切(くいきり)悪(あし)き厚飼(あつかい)か又は種元(たねもと)悪(あし)きと知(しる)べし又 舩(ふな)の時分(じぶん)蹙(ちゝ)けたる 蚕(かいこ)多(おゝ)くあらば暑気(しよき)に中(あた)りしなり又 居知(いし)らずども#1並(なら)ばずともいう蚕(かいこ)あ り是(これ)は寒暖(かんだん)の手入(ていれ)悪(あし)くまづは冷湿(ひえしつ)に中(あた)りし蚕(かいこ)に多く出来(でき)るなり又 居尻(いしり)にかび出来(でき)たる蚕(かいこ)に多(おゝ)くありと知(しる)べし又 蚕(かいこ)器(いれもの)の縁(へり)に多(おゝ)く登(のぼ) ることあり是(これ)は厚飼(あつがい)にして少(すこ)しいたみ病気(やまいけ)の下地(したぢ)あるに風雨(ふうう)暑湿(しよしつ)に中(あたり)し 蚕(かいこ)と知(しる)べし又 蚕(かいこ)の乱性(らんせう)という又 雷雨(らいう)頻(しき)りに降(ふり)り#2来(きた)らば急(いそ)ぎ戸(と)を閉(さす) べし蚕(かいこ)の為(ため)に大毒(だいどく)にて是(これ)より色々(いろ〳〵)の病(やまい)となり又 庭前(にわまへ)に蚕(かいこ)の頭(かしら)俄(にわか) に赤色(あかいろ)になり桑(くわ)喰(く)うこと進(すゝま)ざるは幼飼(をさながい)の時(とき)に暖(あたゝ)め過(すごせ)し蚕(かいこ)又は焼火(たきび) の火気(くわき)に中(あた)りしと知(しる)べし又 蚕(かいこ) 起(おこ)り上(あが)る時(とき)衣(きぬ)脱(ぬ)ぎ得(ゑ)ざる蚕(かいこ)あり是(これ)は桑(くわ) の拵(こしらへ)粗末(そまつ)にて木(き)の類(るい)先(さき)の尖(とが)りたるに当(あた)りて蚕(かいこ)の脊中(せなか)に疵付(きずつい)て 【左丁】 病出(やまいいで)しと知(しる)べし又(また)は蚕(かいこ)居休中(いやすみのうち)《振り仮名:一ッ別|ひとつばなれ》に外(ほか)の器(いれもの)え移(うつ)し替(かへ)たるに衣(きぬ)脱(ぬぎ) 得(ゑ)さるあり又 新宅(しんたく)にて飼(か)うは順気(じゆんき)能(よ)き年(とし)は搆(かまい)にならずふ順(じゆん)なる 年(とし)は飼損(かいそん)じ多(おゝ)し是(これ)は生壁(なまかべ)の湿(しつ)に觸(あた)りしと知(しる)べし湿除(しつよけ)に少々(せう〳〵)火(ひ)を焼(たく) も宜(よろ)し此 外(ほか)蚕(かいこ)の病(やまい)多(おゝ)しといへども咸(みな)幼飼(をさながひ)より手入(ていれ)悪(あし)き歟(か)又は種元(たねもと) の悪(あし)きによるべし故(ゆゑ)に種元(たねもと)を吟味(ぎんみ)し随分(ずいぶん)善(よ)き種(たね)を求(もと)め飼方(かいかた)に手(て) ぬけ無(な)きように為(す)べきこと第(だい)一なり後(のち)の患(うれい)は前(まへ)にありと心得(こゝろゑ)べし猶(なを)養蚕(ようさん) 大道(たいどう)の要(よう)を知(し)らんと欲(おも)はゞ彼(か)の養蚕秘録(ようざんひろく)を求(もと)めて見るべし    蚕種本場(こたねほんば)の事 元文年間(げんぶんねんぢう)の頃(ころ)関東(くわんとう)の國々(くに〳〵)信州上田辺(しんしううへだへん)の蚕種(こたね)を求(もとめ)て上 品(ひん)とし 上方筋(かみかたすじ)は江州(ごうしう)幷(ならびに)播州加古川(ばんしうかこがは)より出(いづ)る黄繭種(きまゆたね)を以(もつ)て蚕業(さんげう)を為(な)す 【右丁上段】 侭(まゝ)堅(かた)くなり白くかび たる如くに成病なり 其節は枯松葉様(かれまつばやう) の物を焼(たき)角(すみ)々まで 煙(けむ)りの行渡りて少し 暖(あたゝか)になれは桑に喰付 直に治(なを)ると云ふ