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【右丁】
無(なけ)れど人家に養て昼夜(ちうや)に平均(ならし)見れば先づ戸は閉勝(とぢがち)也故に氣
篭(こも)り多くは虫に煩(わづら)ひ生る也 然(しかれ)ば時々戸を開(ひら)き風を入れ鬱(こもり)氣を拂ふ
べきか好(よ)き也風多くして旱勝(ひでりがち)なる年は暖(あたゝか)にて蚕一 統(とう)上作す春中より
雨がちにて寒さ強く湿氣(しつけ)深(ふか)き年は違作多し是 則(すなはち)寒さを除(よけ)る心
得よりして火を焚(たき)氣を篭(こも)らせる故に却(かへつ)て違作多しと見たり風勝の
年は自(おのづか)ら乾(かは)き湿氣(しつけ)も拂(はら)ひ戸は閉(とぢ)ても氣(き)鬱(こもら)ず故に上作多しと見ゆ
なれども風寒 暑湿(しよしつ)とも甚敷(はなはだしき)は恐(おそる)べし
○ 種出ずば陽氣(やうき)の風に逢(あは)すべし火に暖(あたゝめ)て種を蒸(む)らすな
○ 掃(はき)たては成たけ薄(うす)く座敷にて高く棚(たな)つり陽(あたゝ)かに養(か)へ
○ 蒸(むれ)二 階(かい)紙張(かみはり)天井路路#1を忌(い)め器(もの)に薄置 涼氣(すゞしげ)に飼(か)へ
【左丁】
○ 照(てる)日には多く桑(くは)与(く)れ雨日(ふるひ)には少くてよしいとへ雨露
○ 一休み通(かよ)ふ煙(けふり)り#2も薬(くすり)なり物を覆(おほ)ふは毒(どく)と知るべし
○ 二休み大火を焚(たく)な立込(たてこめ)な外(そと)の陽(やう)氣を入よをり〳〵
○ 舩起は襖障子(ふすましやうじ)をとり外(はづ)し朝夕の火も遠(とほざ)けて焚(た)け
○ 庭起は北も南も風入て暑(あつさ)を厭(いと)へ夜るになりても
○ 作り前山の如くに桑(くわ)与(く)れて一ッ〳〵に拾(ひろ)ひやとへよ
○ 掃(はき)しよりすがくけふ迄桑厚く蚕尻(こじり)を薄(うすく)く#3替(か)へよ度々
○ やとひては猶四方より風入ようんねつ強き年は猶更
○ やとひたて寒さ強くは二日程高 棚(たな)へ上げ昼夜(ちうや)火を焚(たけ)