みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 地 - 翻刻

訓蒙天地辨 地 - ページ 12

ページ: 12

翻刻

     〇雪(ゆき) 問て云雨|寒(かん)に|結(むすぼ)れ|氷(こおり)て雪となり降(くだ)るといよ〳〵然るや 答て云|雨雪(うせつ)|性(しやう)を 同ふして形を|異(こと)にす 天(てん)の|冷際(れいさい)|冬(ふゆ)はいよ〳〵 寒(さむ)し|雨気(うき)を|含(ふくめ)る 雲(くも)|冷際(れいさい)に入てその 気|散(さん)じて雨ふらんと する時|冷際(れいさい)の寒|殊(こと)に はげしきときはつねに 雨雪(あめゆき)となつて|降(くだ)る しかも雪は|陰力(ゐんりよく)を 厚(あつ)ふし陽気(ようき)を扶(たす)け 霜毒(そうどく)をのぞき|生物(せいぶつ)を|利(り)するものにして|且(かつ)|深山幽谷(しんざんゆうこく)に冬 多(おゝ)く雪を|貯(たくわふ)時は|翌(よく)年|稼穡(かしよく)の水多くして|益(ゑき)ありとて 雪はすべて|化育(くはいく)となるものなれば其用|大(おゝい)也|是(これ)又天地の 妙理(めうり)なり|俗諺(ぞくげん)に雪は|豊(ほう)年の|祥瑞(しやうずい)とすること|宜(むべ)也また 天地の間を|大(おゝい)に|論(ろん)ずる時は|暑寒(しよかん)かわる〳〵|行(おこなわ)るゝこと 此国 暑(しよ)来れはかの土(ど)は寒(かん)也 かく萬国に|往来(わうらい)する|気候(きこう)なれば 大地|周囲(しうゐ)の間|時々(じゝ)|雷電(らいでん)|時々(じゝ)|霜雪(そうせつ)|独(ひとり)時々|黄昏(くはうこん)時々 夜半(やはん)のみならずと|天経或問(てんけいわくもん)に出る所|確論(かくろん)というべし|赤道(しやくどう) を頭上(づしやう)とする|国土(こくど)などは年中|暖(あたゝか)にして冬といえ共|霜雪(そうせつ)は なしといえり     〇雪の降(ふる)前(まへ)温(あたゝか)なる理 問て云 雪は寒物(かんぶつ)也 しかるに其雪を催(もよを)す時 先(まづ)温(あたゝか)なるの理は いかん