みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 地 - 翻刻

訓蒙天地辨 地 - ページ 20

ページ: 20

翻刻

し暖熱(だんねつ)徹(てつ)して弥(いよ〳〵)火を土中(どちう)に貯(たくわ)ふ此ゆへに金石(きんせき)硫黄(いわう)は いふもさら也|諸(もろ〳〵)の珍宝(ちんぼう)多く火煉(くわれん)に成(な)る金石は火物(くはぶつ)にあらず 其|形(かたち)なりては冷物(れいぶつ)なれ共其産せしむるものは火気|深(ふか)き土(と) 地ゆえ也金と石とをもつて摩盪(まとう)すれば火を出す是其もと 火煉(くわれん)の消(しやう)かより硫黄(いわう)は就中(なかんづく)火に近(ちか)し又土中金石を産 し其気の悪しきものは発(はつ)して中|天(てん)に衝(つき)上り直(ただち)に 火際(くわさい)に感(かん)じて妖火(ひかりもの)をなすあり火煉(くわれん)の物も其地気に随(したが)ひ それ〳〵の物を産(さん)ずるがゆへに一(いつ)ならず硫黄(いわう)ある所は火気 ふかきがゆへに泉源(せんげん)こゝに経(ふ)るものは湯(ゆ)となつて沸湧(ふつゆ)す 其|温泉(おんせん)にまた剛柔(ごうぢう)の列(せつち)あるものは土気(どき)によつて然(しか)りあく あるものは暴(あら)くあくなきは和(やわら)か也大がい日本にて温湯(おんとう)出るの 地は攝津国(せつのくに)有馬(ありま)。陸奥(むつ)国|鎌崎(かまさき)。伊豆(いづ)国|熱海(あたみ)。美作(みまさか)国|湯江(ゆのえ)。 伊豫(いよ)国|道後(どうご)。加賀(かゞ)国山中。紀伊(きの)国|龍神(りうじん)。但馬(たじま)国|城崎(きざき)。越中(えつちう) 国山田。相模(さがみ)国|塔沢(とうのさわ)。下野(しもつけ)国|伊香保(いかほ)。越前(ゑちぜん)国|関山(せきやま)。等也|和漢(わかん) の医書(いしょ)に出る所|温泉(おんせん)はもと金石|硫黄(いわう)の気なれば 気血(きけつ)有餘(ゆうよ)のものは 益(えき)あれども虚弱(きょじゃく)なる もの共|可(か)ならずと 有は病あつて湯治(とうじ) せん人は容易(ようい)に すべきにあらす能ゝ(よく〳〵) 博達(はくたつ)の医(い)について 病の虚実(きょじつ)を明(あき)らかに し又|温泉(おんせん)にも病 にしたがひ夫(それ〳〵)の土気(どき) 合否(がうひ)あるべく時節(じせつ)