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コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 地 - 翻刻

訓蒙天地辨 地 - ページ 24

ページ: 24

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聊(いさヽか)の波濤(はとう)は揚(あぐ)るとも津浪(つなみ)の大|患(くわん)はかつてなく大|地震(ぢしん)は静(しづか) なるに限(かぎ)るかし故(ゆへ)にしげ〳〵地|震(しん)ある時はかの波災(はさい)を恐(おそ)るヽこと也       ○蜃気樓(しんきろう) 問て云|海中(かいちう)水気を 吹て忽(たちま)ち城郭(じやうくわく)樓門(ろうもん) の象(かたち)をあらわしまたは 館舎(くわんしゃ)市鄽(してん)の体(てい)を 見するを蜃気樓(しんきろう)と云 或(あるひ)は虬(みつち)の吹(ふく)気(き)とし又は 蛤(はまぐり)の大なるもの吐(はく)処也 と云何によつてかの如(ごと)く の圖(づ)を吹(ふく)の理ありや 答て云|蜃樓(しんろう)の説(せつ) 屡(しば〳〵)奇異(きい)とすしかれども未(いまだ)其|形象(けいしやう)をまのあたり見ざれば 論ずべきにあらずといへども和漢(わかん)の書に出る説(せつ)をこゝに出す先(まづ) 虬(みつち)は龍(りやう)の属(たぐい)にして角(つの)なきもの也|蜃(しん)も又|虬(みつち)の類(るい)と有又|蛤(はまぐり) の大なるを蜃(しん)と云としかれども蜃樓(しんろう)を以てかの生類(しやうるい)の吐(はく) 所とするは虹(にぢ)を以て蝦蟇(がま)の吐(はく)ものといふがごとし是は遠地(ゑんち)の樓(ろう) 閣(かく)上空(かみそら)に映(えい)じ空(くう)中の湿気(しつき)影(かげ)を倒(さかしま)に水面(すいめん)に射映(しゃえい)して 人|望(のぞん)て樓閣(ろうかく)城門(じやうもん)の高く聳(そびえ)たる気を見れども俄項(がきやう)にして 消滅(しやうめつ)すること虹(にぢ)の如くとあれば是まつたく水気と日気(につき)と によつて現(あらわ)るヽものにや      ○木(き)を斬(きつ)て火の出る 問て云|斧(ふ)【左・おの】鋸(きよ)【左・のこぎり】を採(とつ)て木を斬(きる)に節(ふし)のかたきものは火を出吹こと有又 木をもつて木を摩(ま)すれば火を生(しやう)ずしかるに木はもと水気(すいき) と土気(どき)とによつて産(さん)するもの也何によつて火を出すや