みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 地 - 翻刻

訓蒙天地辨 地 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

答て云|雲(くも)は|水気(すいき)也 其かゝる所天にては甚 |低(ひく)し|陰湿(ゐんしつ)の|気(き)|太陽(たいよう) の為に|蒸升(むしのぼ)されたるが 風に|吹乱(ふきみだ)されて|中天(なかぞら)に 靆(たなびく)もの也雲の山より 起升(たちのぼ)る理は山は諸|木(ぼく) 多(おゝ)く地の水気を|頂(てう) 上(じやう)に|吸(すい)あつむるゆへに 陰湿(ゐんしつ)|甚(はなはだ)|深(ふか)し|太陽(たいよう)に 照(てら)され|湿(しつ)を|蒸升(むしのぼ)す こと|湯気(ゆげ)の立ごとし|湯気(ゆげ)|升(のぼつ)て|露(つゆ)をとゞむれ共|元来(ぐわんらい)水気ゆへ 隕降(おちくだ)るの理あり|地気(ちき)|上(のぼつ)て雲となり其気|重(かさな)る時は|散(さん)じて 雨となり|降(ふる)も理|相同(あいおな)じ雲|起升(たちのぼ)れ共其水気の|厚薄(こうはく) によつて|或(あるひ)は風となり又は大小の雨となる海上に|船夫(せんふ)|舵(だ)【舵の左ルビ「かぢ」】 師(し)【師の左ルビ「とり」】の|輩(ともがら)雲の升(のぼ)るを見て風を|占(うらなふ)も此理也すべて日は高く 雲は甚ひくきゆへに此地は曇(くもり)又は雨あれどもわづか数里 をたがへば|快晴(くわいせひ)なるもありと也   〇雲に|種々(さま〳〵)の色(いろ)を現(あらは)す 問て云雲は水気なりと然るに雲に彩色(さいしき)を現(げん)じ或(あるひ)は白(しろ)く 又は黒(くろき)あり就中(なかんづく)|紫雲(しうん)|慶雲(けいうん)をもつて|祥瑞(しやうずい)とす何に よつて色(いろ)をあらわすや 答て云雲に色をあらわすはこと〴〵く日|陽(よう)の|照耀(ひかり)をうくると 雲気(うんき)の厚薄(こうはく)とによつて種品(さま〴〵)の色をなす|或(あるひ)は又気といふ もの有|雲(くも)に似(に)て雲にあらず其気内|赤(あか)く外|黄(き)にして 潤沢(じゆんたく)日をかゞやかすものは王者(わうしや)起(おこ)るの|瑞(ずい)など云は|所謂(いわゆる)慶雲(けいうん) 【挿絵中】 山の水|湿(しつ)を|蒸(むし)升して 雲となり 天の雲 水の気 散じて雨 となる