翻刻
たぶさ、橋下(はしした)の杭(くゐ)と、通(とほ)し貫(ぬき)の折(お)れたる所(ところ)に残(のこ)りて身陥(みをちい)り
し者(もの)もありし、さて大(おほひ)に窪(くぼ)み入(いり)て群落(むれをち)し事(こと)は皆人(みなひと)のいふ
処(ところ)の通(とほ)りなりと云々
○触書之写(ふれがきのうつし)
当月(とうげつ)十九日 深川八幡(ふかがははちまん)祭礼之節(さいれいのせつ)、永代橋(ゑいたいばし)損所出来(そんじしよしゆつたい)、参掛候者(まゐりかけそろもの)
多人数(たにんず)、水中(すいちう)へ落入(をちいり)怪我人(けがにん)、又者(または)相果候者(あひはてそろもの)夥多(あまた)有之由(これあるよし)、右(みぎ)に
付(つき)軽(かろ)き町家之者共(ちやうかのものども)引取(ひきとり)又者(または)取片付(とりかたづけ)にも難儀致(なんぎいた)し、《ルビ:存命ニ|ぞんめいに》
而(て)引取候分(ひきとりそろぶん)も、療養手当(りやうやうてあて)不行届(ゆきとゝがず)、難儀之者(なんぎのもの)も有之候(これありそふら)はゞ、町(ちやう)
役人共(やくにんども)、無油断(ゆだんなく)、相糺(あひたゝし)町会所(まちぐわいしよ)へ可申出候(まをしいでべくそろ)、糺之上(たゝしのうへ)、相当之(さうたうの)御手(おて)
当(あて)可被下候事(くださるべくそろこと)
右之通(みぎのとほり)御沙汰(ごさた)に候間(そろあひだ)早々(さう〳〵)可相触候以上(あいふれべくそろいじやう)
卯八月 町 年 寄
一 可稼当人(かせくべきとうにん)水死致候(すいしいたしそふら)へば 鳥目(てうもく)拾五 貫文(くわんもん)
家族之内(かぞくのうち)水死致候(すいしいたしそふら)へば《割書:一人ニ|付鳥目》 三 貫文(ぐわんもん)
但(たゝし)し 二人 以上(いじやう)は一人に付三貫文つゝ相増(あひまし)候 積(つも)り
一 可稼当人(かせくべきとうにん)怪我致候(けがいたしそふら)へば可 鳥目(てうもく)三 貫文(くわんもん)
家族之内(かぞくのうち)怪我致候(けがいたしそふら)へば《割書:一人ニ|付鳥目》 三 貫文(ぐわんもん)
但(たゝし)し 二人 以上(いじやう)は一人に付五百文つゝ相増(あひまし)候 積(つも)り
下(しも)に掲(かゝ)ぐる所(ところ)は、夢(ゆめ)の憂橋(うしはし)てふ、当時(とうじ)の模様(もやう)を記(しる)せる記(き)
中(ちう)より抜記(ぬきがき)したるものなり、此中(このうち)或(あるひ)は疑(うたが)ふ可(べ)き《ルビ:ケ條|かでう》、間(まゝ)
なきにあらずと雖(いへど)も且(しばら)く原文(げんぶん)の儘(まゝ)を記(しる)して、世人(よのひと)の参(さん)
考(かう)に供(きよう)するのみ
○八月十九日、永代橋(ゑいたいばし)損所(そんじしよ)出来(しゆつたい)、落入(をちいり)水死(すいし)、又者(または)怪我致候者之(けがいたしそろものの)
内(うち)、困窮難義之者共(こんきうなんぎのものども)へ、町会所(まちくわいしよ)より御手当(おてあて)、被下候分(くたされそろぶん)左之通(さのとほり)