みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

塩原繁昌記 全 - 翻刻

塩原繁昌記 全 - ページ 21

ページ: 21

翻刻

|離散(りさん)するに|至(いた)る|之(こゝ)に|於(おゐ)て|君島(きみしま)|氏(うじ)も|城(しろ)を|退(しろぞ) き|土着(どぢやく)して|明賀(めうが)の|別荘(べつさう)に|移(うつ)り|更(さら)に|塩湯(しほのゆ)を |開(ひら)きて|客舎(やどや)を|業(けふ)と|為(な)せり|爾来(じらい)|連綿(れんめん)と|業(けふ)を |営(いとな)み|来(きた)りしに|寛文(くわんぶん)十年|大(たい)|雨(う)の|節(せつ)|俄(にはか)に|後(うしろ)の |山(やま)|崩(くづ)れ|家屋(かおく)|蔵庫(ざうこ)を|合(あは)せて|土中(とちやう)に|埋(うつ)めらる |止(やむ)を|得(ゑ)す|旧地(きうち)を|棄(す)て|塩湯(しほのゆ)を|増築(ぞうちく)して一|家(か) |之(これ)に|引移(ひきうつ)り|旧(ふるき)に|依(より)て|客舎(やどや)を|営業(えいけふ)とす|故(ゆゑ)に |明賀(めうが)を|以(もつ)て|屋号(やがう)と|為(なす)と云ふ ○畑下戸(はたをり) 畑下戸(はたおり)は塩竈(しほかま)と門前(もんせん)の間(あひた)に在(あり)て 本道(ほんどう)より僅(わつか)の降(くた)り也(なり)浴槽(ゆふね)は本湯(もとのゆ)。中湯(なかのゆ)。鳩湯(はとのゆ)。 貉湯(むじなゆ)。の四坪(よつぼ)あり《割書:功能の大畧|巻末にあり》此外(このほか)に一|箇所(かしよ) 貉湯(むじなゆ)と称(しやう)する物(もの)あれとも何(なに)に因(より)て名附(なつ)け たるを知(し)らす俗説(ぞくせつ)に昔(むかし)一頭(いつひき)の貉(むじな)あり断岩(だんがん) を踏(ふみ)はつして谷底(たにそこ)へ陥(をちい)り腰脚(こしあし)を傷(いた)めしに 夜々(よる〳〵)|此(この)温泉(おんせん)に浴(よく)して治(じ)せしゆゑ貉湯(むじなゆ)の名(な) ありと云(い)へり家数(やかず)は十一|戸(こ)あれと客舎(やとや)は