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風力の急変せる有様はこれによりて知り得べきにあらず中央気象台幷日本気象学会が該時
の暴風に就て最疎略の報告をなせしは故なきにあらざるなり
然れば今左に一歩を過め風力計欠損前に於ける高知測候所の同日特別暴風時刻に観測せる
気象統計を示さんに
第二表
午后九時三〇分 七四六、九〇 西
午后九時 七四三、一六 南
午后八時四五分 七四〇、〇六 南
午后八時三〇分 七三五、七三 南
午后八時二〇分 七二七、二六 南
午后八時一〇分 七二二(〇〇〇)、二五(〇〇) 南東
午后八時 七二二、九六 東南東
午后七時四五分 七二七、一五 東南東
午后七時三〇分 七三一、九七 東南東
午后七時十五分 七三七、二二 東南東 此時風力計飛去
三二、一米
午后七時 七四〇、五三 東南東
午后六時三〇分 七四四、九〇 南東 一五、九米
午后六時 七四六、三七粍 南東 九、九米
圧力 (海面上) 風向 風力
上表は暴風中特別に十分乃至十五分間に観測を施こせるものにして圧力の急激に変移せる
有様は之にて漸く知らるゝ如し、其午后六時に七四六、三七粍を示せるもの僅々二時をへて
午后八時に七二二、九六粍となれるは驚くべき急速の下降にして、然も其差異二十三四粍に
達し之を平常の圧力に比すれば殆ど三十七八粍の降下なり
抑平時晴雨計の昇降は期節に由て多少の変あれど其昇降徐々として天候の穏和を示すを常
としよし多少の暴風に会するとも通例一時間二粍又三粍位の下降に過ぎず然るに此時の暴
風は朝六時に七五六、七八粍なるもの晩六時に七四六、三七に達せしがこは先十二時間中に
は有り勝の下降にして深く異とするに足らざれども六時より七時にかけ俄然六粍を下リ七(〇)
《ルビ:時より八時にかけ更に急に十七粍を下りし|○○○○○○○○○○○○○○○○○○○》は実に其急速の下降殆ど近時の暴風に比類稀な
る事共なりき然して其絶対的の最下降は午后八時十分の七二二、二五粍なりき
かゝる急激の低気圧の生成はいふ迄もなく大暴風の中心となるものにして当日日中の風力