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コレクション: STAGE2

土佐古今ノ地震 - 翻刻

土佐古今ノ地震 - ページ 42

ページ: 42

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 貫即土佐俵の七俵位の圧力あり又午后八時前後の極点に達せし時を仮に四十米と見るも猶  ほ百六十九貫即土佐俵の十俵以上の圧力あり偖は同日の暴風は《ルビ:僅々二三時間の経過にすぎ|○○○○○○○○○○○○ 》  《ルビ:ずと雖も一坪面積百六十貫若くはニ|○○○○○○○○○○○○○○○〇》《ルビ:百貫の圧|●●●●》《ルビ:力を以て吹き来る|○○○○○○○○》何物か其圧力に堪へ得べき  其損害の未曾有の惨に達せしも亦宜なるかな  風力のかゝる激烈を極めし傍、雨量は割合少量にして其観測成績左の如し   八月廿八日{《割書:午前十時|午后ニ時》五時間雨量   二五粍        {《割書:午后二時|午后六時》五時間雨量   一六粍        {《割書:午后六時|午后十時》五時間雨量   三一粍  右の内雨量最多の六時より十時までの雨量は一坪面に五石五斗八升余位にすぎず  然れば此時の暴風は風力に於て未曾有の強度を示し次に圧力に於て稀有の低落を示し雨量  に於ては先づ尋常の降雨にも及ばざる少量を示せるものなり       (己)損害の概況  明治三十二年八月二十八日の大暴風に就ては兼てもいへる如く凡記録あり以来土佐国に  未だ曾て有らざりし所の大損害にて其詳細の事は簡単なる小冊中に収録し得べきにあらず  今左に地方を分ち順序を追ふて其被害区域の重なる状況を録せん先高知市より次に緒郡に 及ばん (一)高知市並近傍 (イ)高知公園は市の中央山手なれば風当尤烈しく園内の老大木の十の七八皆倒れ旧城天    主閣の一方の鯱鉾もボツキと千切れ有名の獅子梅さへも老幹苦もなく捻ぢれ切られて    跡を止めずなりぬ (ロ)中島町戯場高知座は市中第一の戯場なりしが何の造作もなく全潰となりぬ本町戯場    堀詰座も枌茸なりしがすべて剥取られ屋根無となりぬ (ハ)農人町字松ケ鼻の松は藩政以来俚歌にも歌はれたる名所の名残なるが其老樹数十本    は根こそげに倒れ或は倒れざるも中幹より捻ぢ折られ旧開成館今海南学校庭の大松    も亦多くは吹倒されぬ (ニ)青柳橋は吸江の一名勝にして長三町に余り納涼観月等遊人の必ず至る所なりしに脆    くも大風並大浪の為め打壊たれ全然跡形を留めず唯石造の橋礎が彼所此所の水面に    屹立せるのみ (ホ)浦戸湾内にて大帆船二三艘砕けて水船となり帆柱ばかり海面に突立てり其外種崎の    浜に打上げられたる帆船四艘桟島の岩にかゝれる帆船一艘孕辺にて沉没せる帆船五    艘破損せる帆船十五艘あり但平舵、小船の損傷は枚挙に遑あらず