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コレクション: STAGE2

土佐古今ノ地震 - 翻刻

土佐古今ノ地震 - ページ 50

ページ: 50

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 一半倒家屋         二百六十七棟  一流失家屋         ニ棟 其外香美郡高知市等の損害を加ふれば統計の数字は更に之に倍せん然れども今其材料を欠 ぐを以て之を除くといふ 但今回の暴風は中心本邦の東部を経過せりと見へ損害一般に東国に多く東京府群馬県千葉 県埼玉県等孰も大水にて中に静岡県は沿岸浪高く海岸の人家為めに流失せるもの少なから ずといへり      (壬) 暴風雨御救恤金 偖土佐国に於て明治三十二年は如何なる厄運なりけん前後三回の大暴風雨を被り多数の人 民は家を失ひ産を損じ其惨况目もあてられぬ有様なりきかくて 天皇陛下にはいたく此等 の民を憐まれ御手許より御救恤金として金六千円を高知県に下賜せられ又同年十月には侍 従片岡利和氏を召され普ねく被害の跡を見舞され給ひき 因に記す明治三十二年には独り土佐国のみならず日本全国の厄年にして暴風雨の災に罹り たる国々頗る多く御手許より下し賜ひし御救恤金の分額大凡左の如くなりき  一鹿児島県    金五千円  一兵庫県     金四千五百円  一岡山県     金四千三百円  一徳島県     金一千五百円  一愛媛県     金一千六百円  一香川県     金六千七百円  一高知県     金六千円 土佐国に於ける古来天災地変の重大なるもの大凡右の如し其の災害の小なるもの其の被害 区域区域の小局部に留まるものは年々歳々幾回の経過あるや計り難きも今は之を省きて凡 そ後の世に処するもの之を以て鑑戒となし予め備ふる所あらば事に当って安詳其所を失は ざるに近かるべし     結論 人世何れの代か天才事変無からん只予め備ふる所ありて其の患を少ふす是れ其の道のみ彼 の暴風といひ暴雨といひ洪水といひ地震といひ津浪といひ火山の迸発といひ是れ皆地球発 達の自然法則に従ふて起る自然作用にして人力の以て如何とも為す能はざる所なり然れど 平素善く此等の事に注意し予め備ふる所あれば以て大に其の患害を減殺し人生の幸福を保 護する途を失はざるを得べきのみ 然りと雖も此等のことに注意し予め備ふる所あらんとすれば勢ひ先づ此等の事実を総合し