翻刻
風やみ大雨廿九日のこし家々その傷ありといへとも猶手落たる
小屋雨もりに凌かねたる多し此度ハ予か小屋雨もり少しも
なしけふハ小ゆれあるかなきかのことし
六日雨霽れす巳の刻過霽る午の刻中ゆれ夜二入両度
小ゆれきのふよりの雨にまた〳〵小屋造り替多し凡是迄
藩中町家とも小屋かけ直し三四度に至さるハなし中にハ
五六度に至るもあり《割書:山岸半十郎藤屋市郎左衛門天満屋小兵衛三家米五拾表ツゝ百五拾表
|町家の貧家へ救米出す一家壱斗ツゝ二あたるよし》
七日快天小ゆれ両三度あり
八日薄曇むせあつし未の刻過小ゆれありさきつる
加州大聖寺松平備後守様御通行あるへきに高田表此変
ありて御止宿を危ふみ給ひ彼御止宿梶屋敷迄しはらく御差留
の使者として山河弥助を遣さるされとも少しもおたやみあらハ通行
ありたきよし度々彼使者まいる此方よりもまた御使者と
して山川氏廿九日大ゆれの中より出立西浜辺山崩れ往来な
り難丈所海上筏乗して往来す此頃さをり大ゆりもなけれハ
今宵備後守様高田加賀屋へ御止宿あり加賀屋裏の方
弐間弐間の仮小屋弐ツ作らる市中傾き家修覆家々
戸々夥し子の刻過大雨
九日終日雨夜二入両三度小ゆれあり夜山鳴両三度
十日朝雨辰の刻小ゆれ巳の下刻西風を催す午の刻中ゆれ