翻刻
十五日薄曇申の刻雨ふる夜中快天亥の刻小ゆれ
此変事前ゟ滝川茂兵衛椽下に狐子産む三疋日を経るに
随ひ人慣れ親狐もともに出て人を恐る事なし児等の致随ひ
ものなりとそ未年に此難を前知をりにやと思える
藤林梅仙宅に例年其関臺所共雀七八ヶ所も巣をくむ今は
其関へのみ巣くみたり不宮也と思ひ居けるか此変に臺所潰れ
其関の方恙なし不思義也と語りき
町家所々へ例年燕巣くふ今年巣くむ家なし此変後燕メ
巣をくみはしめたるわこれも不思義のひとつ也
十六日快晴巳の刻曇午の刻過小ゆり未の刻より小雨戌の
刻大雨二なる
十七日曇山燕夥しく出る未刻雨折々山鳴動小ゆり夜に入雨
此頃藩中町家共普請夥し
十八日曇午の刻過晴子の刻寅の刻両度小ゆれ有
十九日薄曇小雨午の刻霽れるけふハ終日ゆれなし
上ゟ此度の変事御手宛として米才木分限二応し賜る
廿日曇午の刻過小雨申の刻小ゆれ寅の刻小ゆれ有是迄
御徒目付御城下藩中御城内とも廻りありけふ限りにてやむ
廿一日曇卯の刻南風辰の刻やむ申の刻小雨暮頃西風大雨
戌の刻過風止み雨ふる子の刻雨やむ申の刻過小ゆれ有