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コレクション: STAGE1

弘化丁未天變日記 - 翻刻

弘化丁未天變日記 - ページ 31

ページ: 31

翻刻

山川の戦ひ雌雄を決する事あたはす四月十三日夜つひに巖力 水力にまけて一時に積水を流す川中島辺此災にかゝり死 亡するもの数多し激水めくつて南原御弊川を押す ある人いふ信州松本地上暑つき事堪かたし竹木の類弐三尺 土中へさせハその先焼焦すかことしまた〳〵火燃出る山もありとそ 廿九日より浅間山の煙絶るむかし山焼けの時もしはらく煙 絶たるよしあたりの人民衆心安からす飯山の変もまた善 光寺に譲らす藩中市中とも家屋ひた潰れ焼亡死人 多し彼地の地形城郭の方高く市中ハ低し此災に かゝり市中の地形をもち上る事二尺計り城郭却て地中 へ陥り市中より城郭をみ下すに至る犀川の湛水きれて 下流を押す時炮火台の自機發を失ふ松代の藩中竹村 金吾馬上に激流の水先を乗つて積水の変動を本陣へ 告く人伝にきくさへ見る心地をられていさまし 高田城下を去事五里潟町駅ありその豪家小林何某の男四 人連に僕壱人善光寺へ参詣す此変に生死計りかたけれハ村内 機才あるものを選み廿六日早立善光寺へ出立をしむその夜中信 州路へかゝり行くに柏原牟礼ひた潰れにて所々潰れ家のうへ を往来する処あり潰家下に憔悴したる聲して助け出し呉よと 喚けるもの多しこハ幸ひに潰家下に食を全ふすといへとも出る事