翻刻
【右丁】
高水や是が天道のおかげかしらぬ札て
役々其/蔵(ぞう)にや水損なさる御無理なさると
天道様が又もしかりに大風ふかせ兎角
近頃両替せずと金を高ふに上さへすれば手柄の
よふにどこの札場も言分せとんとおかみが大/鼓(こ)に
鑓(やり)で心つかずとどんつく計迚も遣らぬ悪
名が付ば元の通りに六拾目余り高取引させさへ
せねば下の難儀にや成まへものを信て暮
【左丁】
すをまだ涕せんと薪(たきゞ)安せと川奥辺も三拾
八艘の船には積せ六拾余艘の船頭仲使奥の
騒動がおつけおこる訴(そ)人しもの跡から
咎め兎角役儀をしてさへ居ればとんな
悪事も皆は善と成/政(せい)/事(し)と言学は私はしらぬ
知らぬながらも咄しに聞ば上は下を救ふが
役に下はおかみへ忠義を尽せ上も上しやが下をも