翻刻
糊するもののみなれば今後実に《ルビ:名状|めいじやう》すべからざる《ルビ:窮困|きうこん》に《ルビ:陥|おちい》るべく又同会社の《ルビ:建築|けんちく》は六
万余円を《ルビ:費|つひや》し其《ルビ:機械|きかい》の如きも二十五万余円を以て《ルビ:購得|こうとく》したるものにして今回の《ルビ:震災|しんさい》
に依て受けたる《ルビ:損失|そんしつ》の《ルビ:莫大|ばくだい》なるは勿論機械の全く《ルビ:破砕|はさい》されて用を為さゞるものも尚ほ
二三万円に出づべく其の他皆多少の《ルビ:損害|そんがい》を蒙りて《ルビ:到底修繕|とうていしうぜん》の後にあらざれば充分に用
ふること《ルビ:能|あた》はざるべしと云ふ
編者《ルビ:附|つい》て云ふ尾張紡績会社の《ルビ:即死人|そくしにん》は三十九名よりも多く《ルビ:爾後|じご》愛知病院にて死亡せ
し者等を《ルビ:合|あは》すれば殆ど六七十名なるべしとの《ルビ:噂|うはさ》ありしも此書を《ルビ:編纂|へんさん》し《ルビ:了|をは》るまでには
未だ《ルビ:確実|かくじつ》なる報知を得ず一説には《ルビ:同会社役員|どうくわいしややくゐん》は我会社に於て《ルビ:死者|しゝや》の多かりし事を
《ルビ:発表|はつぺう》するを《ルビ:厭|いと》ひて成るべく其の人数を《ルビ:秘|ひ》するの《ルビ:傾|かたむ》きありなど《ルビ:噂|うはさ》する者ありしが斯る
非常の《ルビ:地変|ちへん》に際し《ルビ:唯|た》だ一社の名義のみ《ルビ:好|よ》からしめんとて死者を《ルビ:隠匿|ゐんとく》するが如き道理
ありとも《ルビ:覚|おぼ》えざれば此説の如きは全く《ルビ:虚妄|きよぼう》たるべきを信ずるなり
●枇杷島町の震災 西春日井郡枇杷島町は名古屋市の《ルビ:町続|まちつゞ》きにして戸数五百四十六
戸、人口二千四百六十四人又西枇杷島町は《ルビ:戸数|こすう》九百二十四戸、人口四千八百七十四人に