みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE2

愛知岐阜福井三県 大地震見聞録(内題) - 翻刻

愛知岐阜福井三県 大地震見聞録(内題) - ページ 30

ページ: 30

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るを以て金華《ルビ:山麓|さんろく》に《ルビ:達|たつ》せざれば《ルビ:鎮火|ちんくわ》せざるべし此火災の為市中の《ルビ:舊家及|きやうかおよ》び《ルビ:繁栄|はんせい》の《ルビ:街|かい》 《ルビ:衢大半|くたいはん》を《ルビ:焼失|せうしつ》したり然れとも県庁、裁判所、監獄署、郡市役所、警察署《ルビ:等緒官衙|とうしよくわんが》は《ルビ:幸|さいはい》 に《ルビ:小破|せうは》に止り《ルビ:又|また》火災を免れたり大垣町は《ルビ:全市|ぜんし》九分《ルビ:通|とほ》り崩壊し死傷の《ルビ:数未|かずいま》だ詳ならず 《ルビ:且|かつ》火災五六ケ《ルビ:所|しよ》に《ルビ:起|おこ》り市街七分《ルビ:通|とほ》りを焼失し裁判所、監獄署、郡役所《ルビ:等|とう》は《ルビ:皆|みな》倒潰せし も《ルビ:火災|かさい》を《ルビ:免|まぬが》れたり笠松町も亦家屋の崩壊人畜の《ルビ:死傷無数|しゝやうむすう》にして火災甚し関町は《ルビ:潰家|つぶれや》 《ルビ:凡|およ》そ五百《ルビ:余|よ》死傷未詳失火ニケ《ルビ:所延焼|しよえんせう》二百五六十《ルビ:戸|こ》に《ルビ:及|およ》べり其他各郡町村倒る処家屋 の《ルビ:崩壊人畜|ほうくわいじんちく》の死傷数ふべからず《ルビ:未|いま》だ《ルビ:詳細|しやうさい》の取調を《ルビ:為|な》すの道なけれども《ルビ:概|がい》するに美濃 国中部西南部震動《ルビ:最|もつと》も《ルビ:劇|はげ》くし東北部に《ルビ:至|いた》り微弱なりしものゝ《ルビ:如|ごと》し飛騨国よりは 《ルビ:未|いま》だ報告なしと《ルビ:雖|いへど》も《ルビ:蓋|けだ》し甚だしき《ルビ:被害|ひがい》あらざるべし《ルビ:右|みぎ》に付本県庁に《ルビ:於|おい》ては県庁前を 《ルビ:救難所|きうなんしよ》とし属官警部を《ルビ:以|もつ》て専ら救護の《ルビ:事|こと》に《ルビ:当|あた》らしめ《ルビ:而|しか》して警察官は各部署を《ルビ:定|さだ》め一 《ルビ:面|めん》は《ルビ:屋下|をくか》に埋没せられたる死傷者を一々《ルビ:鑿掘|さくゝつ》して治療を《ルビ:与|あた》へ一面は消防に《ルビ:尽力|じんりよく》せし め《ルビ:又焚出米|またゝきだしまい》を《ルビ:為|な》して一《ルビ:時|じ》の急を救ひ《ルビ:居|を》れり《ルビ:又|また》大垣笠松両地へは属官を《ルビ:派|は》したれ《ルビ:共何|ともなに》 《ルビ:分庁下焦眉|ぶんちゆうかせうび》の《ルビ:危急|ききう》なるを《ルビ:以|もつ》て《ルビ:未|いま》だ各郡村へ《ルビ:派出|はしゆつ》せしむること《ルビ:能|あた》はず尚詳細の《ルビ:景況|けいきやう》は《ルビ:追|おひ》 《ルビ:々|〳〵》及御報告候得共不取敢此段及御報告候也   明治廿四年十月廿九日    岐阜県知事  小崎利準     内務大臣子爵品川弥二郎殿 〇官吏の死傷 岐阜県下にて《ルビ:官吏|くわんり》の《ルビ:死亡|しぼう》せしは本巣、席田郡長川俟正名、大垣区裁判 所検事高橋《ルビ:清茂|きよしげ》、大垣間税分署牧税属海野猛男、《ルビ:幷|なら》びに岐阜、大垣、北方三警察署詰巡 査《ルビ:各|かく》一《ルビ:名|めい》監獄署押丁一《ルビ:名|めい》、岐阜郵便電信局員ニ《ルビ:名|めい》、大垣停車場内電信技手一《ルビ:名|めい》にて山 県郡長後藤信明、岐阜県技手西村元長の一《ルビ:氏|し》は《ルビ:重傷|じうしやう》を《ルビ:負|お》ひたり ●岐阜市の震災  《ルビ:岐阜市|ぎふし》にては廿八日午前六時三十七分《ルビ:轟然|がうぜん》天地《ルビ:鳴動|めいだう》して一時に《ルビ:激|げき》 《ルビ:烈|れつ》なる《ルビ:震動|しんどう》あり之と同時に《ルビ:地面|ぢめん》処々に《ルビ:亀裂|きれつ》を生じ土中よりは夥しく《ルビ:泥水|どろみづ》を《ルビ:噴出|ふきいだ》して井 戸は九分通り《ルビ:砂泥|さでい》を埋め人家は《ルビ:跳|はね》るか如く舞ふが如く八方に《ルビ:揺蕩|えうたう》し忽ち一千余戸を《ルビ:潰|くわい》 《ルビ:倒|たう》せり是と《ルビ:同時|どうじ》に秋津鍛冶屋町、木造町、七曲町等一時に《ルビ:火|ひ》を上げしかば《ルビ:烟焔|えん〳〵》市街を《ルビ:鎖|とざ》 して昼尚ほ《ルビ:皆黄|こんかう》たり秋津町は厚見蠶糸組合事務所より《ルビ:発火|はつくわ》せしが最初同家の《ルビ:倒|たを》れたる 時一人の《ルビ:発火|はつくわ》せし事に心付きし者なく《ルビ:前面|ぜんめん》なる公証人後藤竹次郎氏《ルビ:同家|どうけ》の倒れたるを