みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE2

愛知岐阜福井三県 大地震見聞録(内題) - 翻刻

愛知岐阜福井三県 大地震見聞録(内題) - ページ 50

ページ: 50

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郡中土田村の西北南なる《ルビ:耕地|かうち》には今回の大震にて長さ大凡そ七丁余巾三十間ばかり《ルビ:半|はん》 《ルビ:月形|げつかた》に《ルビ:凹陥|あふかん》 【「し」が脱落カ】其深さ一尺乃至三四尺に《ルビ:達|たつ》し同村及び帷子村の一部は《ルビ:震後俄|しんごには》かに井水《ルビ:涸|こ》 《ルビ:乾|かん》し中には《ルビ:飲料水|いんれうすゐ》にさへ困難を訴ふるものあり又兼山町地内木曽川の《ルビ:水中|すゐちう》には大震の 後震動ある毎に硫黄気を《ルビ:含|ふく》める《ルビ:水湧|みづわき》出し又帷子村字古瀬福田寺前なる《ルビ:高|たか》さ廿間ばかり の《ルビ:山岳|さんがく》の中央深さ凡そ三間巾凡そ三十五六《ルビ:間長|けんなが》さ凡そ三百間ばかり陥落し為めに一の 《ルビ:渓谷|けいこく》を形造り又同所より三十間を《ルビ:隔|へだ》てたる二反歩ばかりの田面凡そ三間余《ルビ:俄|には》かに《ルビ:崛起|くっき》 したりと云ふ ●代議士の罹災  貴族院議員渡邊甚吉氏の家宅は《ルビ:火災|くわさい》の為消失し衆議院議員矢野才 治郎氏は《ルビ:家屋崩潰|かをくほうくわい》の為め足部を傷け同清水粂藏氏の《ルビ:母堂|ぼだう》は即死し同天野若圓氏の《ルビ:男児|だんじ》 二人は負傷せり又岐阜県会議員古澤信行氏は《ルビ:即死|そくし》し同三輪凖一氏は《ルビ:負傷|ふせう》せり又右渡邊 甚吉氏の《ルビ:罹災|りさい》を見舞はん為め尾張葉栗郡の森林平氏は《ルビ:頃日|このごろ》赤飯《ルビ:数櫃|すひつ》を数名の人夫に《ルビ:荷|にな》 はせ之を送りたるに其の《ルビ:途中|とちう》某郡村の罹災民は群がり来りて之を《ルビ:横奪|わうだつ》し其後更に牡丹 餅数千個を《ルビ:送|おく》らんとせしに是も亦半途にして《ルビ:罹災窮民|りさいきうみん》の為めに《ルビ:奪|うば》ひ去られたりと    岐阜県安八郡舟町の惨状