翻刻
堂ヶ嶋之部(どうがしまのぶ) 塔之沢(とうのさわ)より一里半余
温泉功能 温(ぬる)湯|氣味(きみ)しほはゆし
一|積聚(しやくしゆ) 一|疼痛(とうつう) 一|脚氣(かつけ) 一|中風(ちうぶ) 一|血塊(けつくわい)
一|痔(ぢ) 一|頭痛(づつう) 一|疝気(せんき) 一|喘息(ぜんそく) 一めまひ
一うちみ一すぢけ一痛風(つうふう)
一白糸(しらいと)の瀧
堂ヶ島の谷(たに)川をへだて向(むかふ)の明神ヶ嶽(みやうしんがたけ)の半腹(はんふく)よりながれおつる事
凢弐丈|斗(ばか)り瀧巾(たきはゞ)ほそく至つてやはらかなる瀧遠(とほ)く望(のぞ)めば実(じつ)に
白き糸(いと)をさらすがごとく相州一ノ瀧ともいふべし又下より
六七尺ほどに雅(が)なる岩(いは)あり上より山にそひて流(なが)れおつる水
是にふれて脇へそびえ水先|白馬(はくば)の尾(お)を乱(みだ)すがごとし
一《割書:湯宿| 》奈良屋六郎兵衛 一《割書:同| 》江戸屋吉五郎 一《割書:同| 》丸屋孫兵衛
一《割書:同| 》大和屋太郎左衛門 一《割書:同| 》近江屋半兵衛
右惣内湯 《割書:并| 》瀧湯あり
底倉之部(そこくらのぶ) 宮(みや)の下(した)より此所迄三四丁つゞき
温泉功能《割書:温(ぬるき)湯にて氣味(きみ)しほはゆし|熱(あつ)湯もあり》
一|痔疾(ぢしつ) 一|痳病(りんびやう) 一|疝氣(せんき) 一|中風(ちうぶ) 一|帯下(こしげ)
一|打身(うちみ) 一|痰(たん) 一|頭痛(づつう) 一|痛風(つうふう) 一|消渇(せうかち)
一|寸白(すんばく) 一|血塊(けつくわい)
一|雲雀瀧(ひばりたき)といふゆ瀧(たき)あり諸病(しよびやう)によし
一|楊弓場(やうきうば)弐ヶ所|住吉(すみよし)屋|川越(かわごへ)屋といふ
〽住なれて見れは花ありほとゝきす 弄花
一《割書:湯宿| 》萬屋伊右衛門 一《割書:同| 》梅屋又左衛門 一《割書:同| 》葛屋平左衛門
一《割書:同| 》仙石屋条助
右は|内(うち)湯|外(ほか)|惣(そう)湯もあり
木賀之部(きがのぶ) 底倉(そこくら)より半屋程
温泉効能 氣味(きみ)しほはゆく少(すこ)し酸(す)みあり