翻刻
【右丁】
利口(りかう)して
身を
うかせ
たる
女房は
終(つゐ)に夫(おつと)の
あきか後(ご)と
なる
惣じて人は言葉すくなく身を卑下(ひげ)して自慢(しまん)の心なきが本義也対して女房は穏便(おんひん)にしてものごと
ひかへしゝむこそや御しくたのもしからめ利口(りかう)だてをしてりくつたけく人をいやしみをのれを
たかぶり気随(きすい)ならば夫(おつと)に見かぎられん事 疑(うたかひ)背べからず七 去(きよ)の門にも口まめなるは去(さる)と背せや
【左丁】
眉目(みめ)わろく
色はくろ
しと
女房は
口つとばき
清(きよ)く
たしなへ
たとへ色白く眉目(みめ)かたちうつくしき女也共其心ひがみかたくなならば錦(にしき)の袋に糞(ふん)をつゝみたる
ごとくにて一旦(いつたん)人の目に入といふ共つゐに見おとさるべし又色黒く見めわろき女房成ともその物
いひ立ふるまひ神妙(しんみやう)にして心すなほに正(たゝ)しからば太布(たふ)に金(こかね)をつゝみたるがごとく■■は男の
気にあはぬやう成共■には奥(おく)ふかくたのもしく思はるゝ事 必定(ひつでう)也 古(ふる)きことばにもすがた
こそ■のゑびすに似(に)たりとも心は花のみやこなりけれとたゞ人は心なりかほかたちのけはひ
すおほかたにして心こと葉をよくけはひたしなむべき事なり