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【右丁】
わが心
鏡に
うつる
もの
ならば
さこそは
かげの
みにく
かるべき
人 鏡(かゝみ)にむかふ時は質(かたち)のよしあし明らかなりよつてあしきを改め糺(たゝ)す心はかたちなければ鏡に
うつすべきやうなし故に我其あしき所をしらず若(もし)是鏡にうつる物ならばさこそ其かげむ
さくきたなく我ながら恥(はつ)かしからんさあらばすみやかにあらためたゞすべきものをや
【左丁】
腹(はら)を立(たて)
心より火の
もえ■て
われと
わが身
を
こがし
こそ
すれ
怒(いかり)ては肝(かん)をやぶると医書(いしよ)に見たり又 臓(そう)の内にていかりは肝に属(そく)すいかり甚き時は肝火(かんくは)
さかんにてもへて其 臓(そう)をこがしそこなふ其上いかりに乗(せう)じては必人をそこなふ人をそこな
へば人又.あたをふくみて我を損(そこなへ)是我とわがみを損にあらずや一朝のいかりに其身を忘(わす)れていて
其 親(しん)に及すは迷(まよひ)なりと論語(ろんご)に見たり慎(つゝしむ)べき事也又いかりには難(なん)を思へといへり腹(はら)の立
事出来ば人を損(そこな)ひ我をそこなふ災難(さいなん)のあらん事を思ひておさへとゞむべしとぞ