東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

最明寺殿教訓百首 - 翻刻

最明寺殿教訓百首 - ページ 13

ページ: 13

翻刻

【右丁】 わが心  鏡に       うつる  もの     ならば  さこそは   かげの    みにく   かるべき 人 鏡(かゝみ)にむかふ時は質(かたち)のよしあし明らかなりよつてあしきを改め糺(たゝ)す心はかたちなければ鏡に うつすべきやうなし故に我其あしき所をしらず若(もし)是鏡にうつる物ならばさこそ其かげむ さくきたなく我ながら恥(はつ)かしからんさあらばすみやかにあらためたゞすべきものをや 【左丁】 腹(はら)を立(たて)  心より火の  もえ■て   われと    わが身       を    こがし      こそ       すれ 怒(いかり)ては肝(かん)をやぶると医書(いしよ)に見たり又 臓(そう)の内にていかりは肝に属(そく)すいかり甚き時は肝火(かんくは) さかんにてもへて其 臓(そう)をこがしそこなふ其上いかりに乗(せう)じては必人をそこなふ人をそこな へば人又.あたをふくみて我を損(そこなへ)是我とわがみを損にあらずや一朝のいかりに其身を忘(わす)れていて 其 親(しん)に及すは迷(まよひ)なりと論語(ろんご)に見たり慎(つゝしむ)べき事也又いかりには難(なん)を思へといへり腹(はら)の立 事出来ば人を損(そこな)ひ我をそこなふ災難(さいなん)のあらん事を思ひておさへとゞむべしとぞ