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【右丁】
何(なに)事も
しりたる
かほの
人はたゞ
つらにくげにし
見ぬひとぞ
なき
世俗(せそく)のことわざにも能(のう)ある鷹(たか)は爪(つめ)をかくすといへりたとへよくしりたる事なりともしらぬ
ふりにもてなすこそいみじけれしかるにしらざる事をもしりたるやうにもてなすは何たる
心ぞやたれか是をにくまざらん知(しる)こと問(とふ)は礼なりといへるをや
【.左丁】
にくげにて
人の向(むか)はん
時はたゞ
何心なき
有さまを
せよ
たとへば人いかりをふくみけしきあらく我にあい向ふといふ共さらぬ体にもてなしちつともかまふべ
からず柳の枝に雪をれはなしといへり又いかれるこぶし笑ふかほにあたらず共いへりとかく人は
けんくわ口論(かうろん)をせぬやうにと常(つね)にたしなむべき事也たとへいひかちうちかちたり共人をそこなひ
恥辱(ちじよく)をあたへては後の禍(わざはひ)遁(のかる)へからず百 戦(せん)百 勝(しやう)一 忍(にん)にしかず万 言(けん)万 当(たう)一 黙(もく)にしかずと古語(こご)あり