東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

最明寺殿教訓百首 - 翻刻

最明寺殿教訓百首 - ページ 23

ページ: 23

翻刻

【右丁】 此世にて   物の     少     も  もち   たき     は  まづしき      人に  ほどこ     さんため 小人 悪人(くにん)の財宝(さいほう)をむさぼるは是を以て人にほこり栄花を極めんと也善人 君子(くんし)は財宝を欲(ほつ)し ねがはすといへども貧窮(ひんきう)飢■の■を見てはほどこしすくはんと思ふ心 切(せつ)なるによつて財宝もがな と思ふ心あり財宝は持手によつて重宝(てうほう)とも成又あたともなれり大学に云 仁者(しんしや)は財を もつて身をおこし不仁者は身をもつて財を起(おこ)すと又云 財(さい)集(あつ)まる時は民数す財数 ずる時は民あつまると仁者は財宝をほどこし用て徳人■心を得て国を保(たも)ち家を起(おこ)し 不仁者は財宝を貪(むさほり)あつめて万人の怨心(おんしん)をとり身をほろぼし家を亡ぶり国を失(うしな)ふ 【左丁】 数(かず)ならぬ  身を   とふ    人の  心こそ   いつはりも      なき   情(なさけ)なり        けり それ人をたづねとふは礼儀の為といへども世にある人を尋るはおほくは諂(へつらい)なりおちぶれ たよりなき身をとふらふこそ誠に有がたき仁義の心ばへなれ弁(わきま)へしるべし